文献情報
文献番号
201128092A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性大脳白質形成不全症の診断と治療に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-132
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
井上 健(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部)
研究分担者(所属機関)
- 小坂 仁(神奈川県立こども医療センター 神経内科)
- 黒澤健司(神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
- 高梨潤一(亀田総合病院 小児神経科)
- 山本俊至(東京女子医科大学 統合医科学研究所)
- 岩城明子(九州大学 生体防御医学研究所)
- 出口貴美子(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
先天性大脳白質形成不全症は、原因不明の中枢神経系髄鞘の形成不全を特徴とし、非常に重篤な症状を呈する稀な神経疾患の一群である。本研究は、臨床・基礎研究一体型の研究組織を構築し、先天性大脳白質形成不全症の診断から治療までにかかる研究を一体的に推進することを目的とする。
研究方法
臨床の実態の把握調査と診断の推進のための研究として、
(1) 全国疫学調査の結果の集計とフィードバック
(2) 画像と遺伝子診断を含めた診断基準と疾患分類、治療指針の確立
(3) ウェブサイトの作成と公開
(4) MRI画像の収集とデータベース化
(5) 患者家族や看護療育スタッフを対象とした公開セミナーの開催
(6) 遺伝子診断と遺伝子カウンセリングの整備推進
病態解明と治療法開発に向けた基盤整備と基礎研究の推進として
(1) リンパ芽球および皮膚線維芽細胞など生体試料の登録・保存
(2) 治療法開発へ向けた基礎研究のための基盤整備
(3) 国際共同研究による海外の診療および研究実態の把握
(1) 全国疫学調査の結果の集計とフィードバック
(2) 画像と遺伝子診断を含めた診断基準と疾患分類、治療指針の確立
(3) ウェブサイトの作成と公開
(4) MRI画像の収集とデータベース化
(5) 患者家族や看護療育スタッフを対象とした公開セミナーの開催
(6) 遺伝子診断と遺伝子カウンセリングの整備推進
病態解明と治療法開発に向けた基盤整備と基礎研究の推進として
(1) リンパ芽球および皮膚線維芽細胞など生体試料の登録・保存
(2) 治療法開発へ向けた基礎研究のための基盤整備
(3) 国際共同研究による海外の診療および研究実態の把握
結果と考察
臨床研究では、診断基準と疾患分類の作成や疫学調査などの本研究課題の必須課題であったが、これらについては、報告と周知を含めて、目標を達成した。公開セミナーは、回を追うごとに充実し、単なる患者家族への情報提供のみならず、家族間のネットワークの構築を通じての患者家族会の設立に大きく寄与することができた。また、患者と研究者とのネットワークも同時に構築されており、ウェブサイトの公開とともに、今後も更なる発展的な展開が期待される。頭部MRI画像の収集とデータベースの構築に関しては、本邦でも他に類を見ない研究として、今後の発展が期待される。遺伝子解析については、小脳萎縮と脳梁低形成を伴うび漫性大脳白質形成不全症の新規疾患遺伝子を同定した。一方、基礎研究では、生体試料の収集については、iPS細胞の樹立が進み、これを利用した病態解明研究や治療法開発への足がかりがより確実なものとなった。実際に複数の班員の研究施設で疾患iPSを用いた研究が進行しており、今後の成果が期待される。病態解明と治療法開発研究は、クルクミンに加え、複数の異なる分子病態に対する治療法開発研究が進行しており、今後の実用化に向けた研究の発展が期待される。
結論
3年計画の最終年度に当たり、先天性大脳白質形成不全症の診断あるいは疫学といった臨床の基盤的な研究、遺伝子診断などの応用医療、そして治療法開発に向けた基礎研究といった幅広い領域についての多面的に研究を行い、本疾患の診断と治療に大きな進歩をもたらすことができた。
公開日・更新日
公開日
2013-03-28
更新日
-