文献情報
文献番号
201128045A
報告書区分
総括
研究課題名
IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-084
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 和一(関西医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 川 茂幸(信州大学 健康安全センター)
- 神澤 輝実(都立駒込病院 内科)
- 坪内 博仁(鹿児島大学 医学部)
- 日比 紀文(慶應義塾大学 医学部)
- 千葉 勉(京都大学大学院 医学研究科)
- 下瀬川 徹(東北大学大学院 医学系研究科)
- 梅原 久範(金沢医科大学 医学部)
- 木梨 達雄(関西医科大学 医学部)
- 松田 文彦(京都大学大学院 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
IgG4関連疾患は病理組織学的にはリンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化を特徴とし、臨床的には同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大や結節・肥厚性病変などを認め、高IgG4血症および高IgG血症、時に抗核抗体を認める原因不明の疾患である。疾患の考え方には線維硬化性疾患とリンパ増殖症がある。本研究では、これらの相違点と共通点を明らかにし、包括診断基準とIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準の確立を目的とした。
研究方法
包括診断基準は「IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究」(岡崎班)と「新規疾患, IgG4関連多臓器リンパ増殖性疾患(IgG4+MOLPS) の確立のための研究」(梅原班)の合同ワーキンググループを組織して作成した。またIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準は日本胆道学会、難治性肝胆道疾患の調査研究(坪内班)と合同ワーキンググループを組織して作成した。
結果と考察
診断基準の基本コンセプトは、①臓器専門医以外の臨床医でも使用する、②臓器診断基準と併用する、③簡潔化、④悪性腫瘍除外のために病理組織所見を重視する、⑤ステロイドの診断的治療は包括診断基準では推奨しない、である。診断は臨床的所見、血液所見、病理組織所見の3項目よりなる診断項目を組み合わせて確定診断、準確診、疑診群とする。
ステロイド効果のある場合、本疾患の可能性もあるが、悪性リンパ腫や腫瘍随伴病変もステロイド効果が時に見られるため、包括診断基準では採用されていない。そのため、診断はできる限り病理組織を採取する努力する必要がある。しかし、膵、後腹膜、脳下垂体病変など組織診の難しい臓器においは、自己免疫性膵炎の国際診断基準や自己免疫性膵炎臨床診断基準2011、IgG4関連硬化性胆管炎のようにステロイド効果をとりいれた診断基準との併用も必要である。
ステロイド効果のある場合、本疾患の可能性もあるが、悪性リンパ腫や腫瘍随伴病変もステロイド効果が時に見られるため、包括診断基準では採用されていない。そのため、診断はできる限り病理組織を採取する努力する必要がある。しかし、膵、後腹膜、脳下垂体病変など組織診の難しい臓器においは、自己免疫性膵炎の国際診断基準や自己免疫性膵炎臨床診断基準2011、IgG4関連硬化性胆管炎のようにステロイド効果をとりいれた診断基準との併用も必要である。
結論
IgG4関連疾患の包括診断基準とIgG4関連硬化性胆管炎の診断基準を提唱した。今後、全身各臓器病変の成因と病態を解明し、相違点を検証することによって、IgG4関連疾患の概念と診断法を確立することができると考えられる
公開日・更新日
公開日
2013-03-12
更新日
-