バイオ人工細胞・臓器の開発による糖尿病その他の疾患の治療

文献情報

文献番号
201126034A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオ人工細胞・臓器の開発による糖尿病その他の疾患の治療
課題番号
H23-免疫・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
宮川 周士(大阪大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 長嶋 比呂志(明治大学農学部生命科学科発生工学研究室)
  • 岡部 勝(大阪大学遺伝情報実験センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
9,060,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療用バイオ人工細胞・臓器の開発。主眼をバイオ人工膵島とし、細胞供給用の遺伝子改変ブタの作出をめざす。
研究方法
1.遺伝子構築
 C1-INH+Thrombomodulin+DAF+MCPcyt(-)<CTDM>をinsuline promoter、HLA-Ev(147)+IRES+humanβ-2 microglobulin(hβ2m)<HLA-E*>をpCAGGSに組み込んだ。
  cDNAのcodonを改変しブタで至適なものとした。 
 * DAFの機能ドメインSCR2-4。同じく、MCPのSCR2-4。C1-INHの1-99aaを除去。ThrombomodulineはEGF4-6とEGF3の一部。<CTDM>
 * HLA-Ev(147)(147aaのSをCに変更)にIRESでhuman β2m。<HLA-E*>
 * CMAHのsiRNA法によるknock out(KD)。
 * H-1 promoterにpol部分のsiRNAの組み込み。U6 promoterも用意。
2.In vitroでの確認 ブタの細胞で検定。
3.Transgenicブタ作り
 顕微授精(ICSI-mediated gene transfer)法を用いて、ブタの体外成熟卵に遺伝子導入を行い、発生への影響を調べた。
結果と考察
1.作製遺伝子構築
pCAGGS/CTDM, pCPI(pig insulin promoter)/CTDM,pCAGGS/ HLA-E*,H1/siRNA-pCMAH,H1/siRNA-PERV
2.細胞での発現
 ブタの血管内皮細胞に遺伝子導入し、FACSで発現を確認。
3.ブタでの発現
  CTDMおよびHLA-E*遺伝子をそれぞれ約40個の卵に導入した結果、18.4%および35.9%の胚盤胞形成率が得られた。HLA-E*遺伝子導入の発生阻害はないと判断。
HLA-E*遺伝子導入胚97個を2頭のレシピエント雌に移植した。妊娠診断は未実施。
顕微授精法の応用による、HLA-E*、CTDM遺伝子-ブタの作出は十分可能とし、CTDM遺伝子を再精製し、発生阻害性を検討する予定。
結論
現時点で遺伝子構築が終わり、それぞれICSI法でブタに遺伝子導入し、in vivoでの発現を検討中。顕微授精法によるブタ体外成熟卵へのHLA-E*遺伝子の導入は、発生を阻害せず、胎仔を得ることが可能であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-01-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126034Z