HIV感染予防対策の個別施策層を対象にしたインターネットによるモニタリング調査・認知行動理論による予防介入と多職種対人援助職による支援体制構築に関する研究

文献情報

文献番号
201124033A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染予防対策の個別施策層を対象にしたインターネットによるモニタリング調査・認知行動理論による予防介入と多職種対人援助職による支援体制構築に関する研究
課題番号
H23-エイズ・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
日高 庸晴(宝塚大学 看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 嶋根 卓也(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
  • 西村 由実子(橋本 由実子)(関西看護医療大学 看護学部)
  • 古谷野 淳子(新潟大学医歯学総合病院 感染管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
20,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HIV感染の流行はMSMを中心に拡大を続けており、リスク行動やその背景要因等について継続したモニタリング調査を行うと共に、予防介入や行動変容の促進が必要である。そのためには、教員・臨床心理士・保健師ら専門職をMSMの健康支援のための援助職と位置付け、意識改革・スキル開発を行うことが必要である。よって、学校教育におけるセクシュアリティ理解と援助スキル開発に関する研究(研究1)、インターネットによるMSMのHIV感染予防に関する行動疫学研究-REACH Online 2011(研究2)、保健師・臨床心理士におけるセクシュアリティ理解と援助スキル開発に関する研究(研究3)、認知行動理論(CBT)によるHIV予防介入研究(研究4)を実施した。
研究方法
研究1:4自治体の教員を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した(悉皆調査)。研究2:MSM対象にインターネットによる調査をPC、モバイル(従来型携帯電話、スマートフォン)により実施した。また、取込基準に合致する者にオンライン型認知行動療法によるHIV予防介入プログラムを提供した。研究3:近畿圏の2府4県と12の保健所設置市に所属する保健師を対象に悉皆調査を実施した。また、臨床心理士調査の予備調査として面接調査と大学院生を対象にした質問紙調査を実施した。研究4:MSM対象のCBTによる対面型予防介入を次年度実施するにあたって、関係者へのヒアリング、専門家からの助言、文献検討によるプログラム内容の検討を行った。
結果と考察
研究1:教員調査は4,293部(回収率61.7%)、全体の11.0%が同性愛や性同一性障害について授業中に取り上げた経験があった。研究2:PC版とモバイル版から計10,442人の有効回答があり、2008年調査と比較してMSM関連施設の利用率が低下する一方でネットを通じた出会いとセックスが顕著であった。研究3:保健師調査は1,535部(回収率78.8%)であり、7割が性関連相談は職務として対応するという姿勢が強く、半数以上はHIV関連業務に苦手意識があった。臨床心理士調査およびCBTによる予防介入においては、次年度実施の本調査のための予備的研究を行いその実施環境を構築した。
結論
インターネットを活用してMSMのHIV感染リスク行動のモニタリングを行うと共に、介入プログラムの提供に努めた。また、MSMを取り巻く対人援助職が抱くMSMやセクシュアリティに関する意識/認識/対応経験についての実態を明らかにした。加えて、MSMのHIV感染リスク行動やその背景要因である生育歴の課題と支援ニーズの現状を援助職に情報還元するための体制構築を図った。

公開日・更新日

公開日
2014-05-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201124033Z