細胞培養インフルエンザワクチンの実用化および流行予測とワクチン株選定に関する研究

文献情報

文献番号
201123059A
報告書区分
総括
研究課題名
細胞培養インフルエンザワクチンの実用化および流行予測とワクチン株選定に関する研究
課題番号
H23-新興・指定-021
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田代 眞人(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 小田切 孝人(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 岸田 典子(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 藤崎 誠一郎(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 原田 勇一(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 高橋 仁(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 信澤 枝里(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 浅沼 秀樹(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 山本 典生(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 中村 一哉(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
  • 浜本 いつき(国立感染症研究所 インフルエンザウイルス研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
120,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
①国およびWHOの要請に基づき、国内外のインフルエンザ流行動向を監視し、的確な流行予測とリスク評価に基づく適切なワクチン株の開発・選定を可能とする。②新型インフルエンザ出現後6カ月以内に、国民全員分の有効で安全な細胞培養ワクチンを製造・供給するために、ワクチン製造所社と協力して、臨床試験の実施と承認申請の支援、およびワクチン株の緊急開発、ワクチン製剤の品質管理方法を確立する。
研究方法
①国内外の流行株の収集と性状解析、血清調査によるワクチンの有効性評価、遺伝子解析法の構築と流行株遺伝子解析を進めた。②平成25年度までに、国内で細胞培養ワクチン製造体制を確立する国の方針に基づき、ワクチンメーカーを指導して、臨床試験の計画、実施および製造設備の設計を支援し、また、有効かつ安全なワクチン製造株の緊急開発と供給、安全性、有効性に関する品質管理方法の研究を実施した。
結果と考察
①インフルエンザ株サーベイランスの結果、2010/11と2011/12シーズンは、国内外の流行株はワクチン株に類似していることを解明し、WHOおよび国内ワクチン株は変更されなかった。 ワクチン接種前後の血清調査研究は、国の政策として毎年実施すべきである。新規薬剤耐性遺伝子マーカーの同定は、耐性サーベイランス及び抗インフルエンザ薬開発に重要な発見である。②細胞培養ワクチン開発:1.臨床試験等、承認申請に必要な試験に関する検討と支援 、2.ワクチン製造施設でのバイオセーフティー対策の検討と提言、3.シードウイルス開発方法の国際的ハーモナイゼーション、4.ワクチン品質管理体制の準備、5.細胞培養法によるウイルス分離効率の改善 、6.細胞培養分離ウイルスの遺伝的安定性の解析、7.同じく抗原的安定性の解析、8.シードウイルス製造用細胞バンク及び迷入ウイルス検出系の構築、9.ウイルス増殖性に関与する細胞因子と新規MDCK細胞の開発、10.細胞培養ワクチン用リバースジェネティクス法の開発を行った。
結論
①国およびWHOのインフルエンザワクチン政策の基本資料となるサーベイランス活動およびその情報の収集、解析、評価、政策提言に関する研究を実施した。②国の方針に基づいて、国際ハーモナイゼーションの下に、ワクチンメーカーの実生産施設建設とバイオセーフティー対策、臨床試験などの承認申請に必要な試験の実施を促進できた。平成25年度までの細胞培養ワクチン実用化へ向けて大きく前進した。

公開日・更新日

公開日
2012-06-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123059Z