HTLV-1感染症の診断法の標準化と発症リスクの解明に関する研究

文献情報

文献番号
201123050A
報告書区分
総括
研究課題名
HTLV-1感染症の診断法の標準化と発症リスクの解明に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-016
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
浜口 功(国立感染症研究所 血液・安全性研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 山口一成(国立感染症研究所 血液・安全性研究部 )
  • 渡邉俊樹(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)
  • 岡山昭彦(宮崎大学 内科)
  • 佐竹正博(日本赤十字西東京都血液センター)
  • 出雲周二(鹿児島大学 難治ウイルス研 分子病理)
  • 望月學(東京医科歯科大学 眼科)
  • 齋藤滋(富山大学院 産婦人科)
  • 大隈和(国立感染症研究所 血液・安全性研究部 )
  • 高起良(JR大阪鉄道病院 血液内科)
  • 内丸薫(東京大学 医科研 血液内科)
  • 山野嘉久(聖マリアンナ医科大 難病治療研究センター )
  • 魚住公治(鹿児島大院 血液・免疫疾患研究分野 )
  • 緒方正男(大分大学 医学部 血液内科学)
  • 上平憲(長崎大院 医学部)
  • 宇都宮與(慈愛会今村病院分院 血液内科 )
  • 岩永正子(活水女子大 健康生活学部)
  • 巽正志(国立感染症研究所 エイズ研究センター )
  • 相良康子(福岡県赤十字血液センター 研究一課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
31,870,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年HTLV-1感染者が感染率の高いとされる九州・沖縄地方から大都市圏に拡散する傾向にあり、今後全国的な対策が必要になっている。PCR法による標準的なHTLV-1核酸検査を新たに確立し、診断が正確かつ迅速に行われることを目指すとともに、HTLV-1関連疾患の発症リスクの低減化を目指す。
研究方法
[1]検査法標準化確立グループでは、標準品を統一し、研究室レベルで独自に行われてきたHTLV-1ウイルス量測定法の標準化をはかるとともに、世界に先駆けて標準的HTLV-1診断法の確立を行う。さらに、HTLV-1プロウイルスに関する核酸検査の確定診断としての妥当性を検討し、実用化にむけた開発を行う。
[2]HTLV-1関連疾患の発症リスクの検討グループにおいては、HTLV-1の診断法の確立により、HTLV-1関連疾患の発症に悪影響をあたえる因子の疫学的な解析を行う。加えて対策に必要な基礎的情報収集を行い、資料を作成する。
[3]HTLV-1研究に関して、他のHTLV-1関連研究班との情報交換やプロジェクトの遂行方針を有機的に調整し、キャリアの総合的フォロー対策につなげる研究とする。
結果と考察
標準的試験法に必要用な標準品候補品の制定が完了し、全国8施設における同一検体を用いた3回の精度試験を実施し、正確なコピー数を安定して測定できる事を確認した。また、HTLV-1関連疾患の全国疫学コホートJSPFADを継続・維持し、累積検体数6,199検体、累積症例数2,363人のデータベースを構築した。このデータベースを活用して、ウイルス量や既知のリスクファクターに加え新たなバイオマーカーや予後予測のためのスコアリングシステムを考案した。さらに、HTLV-1関連疾患研究領域研究班合同班会議を開催し、他のHTLV-1関連研究班との情報交換を行った。特に、妊婦からの判定保留検体の収集・解析するために、「HTLV-1母子感染予防に関する研究:HTLV-1抗体陽性妊婦からの出生児のコホート研究」班と協力して判定保留検体の測定の準備を開始した。
結論
検査法標準化確立グループ、HTLV-1関連疾患の発症リスクの検討グループ、HTLV-1研究に関する総括グループを組織し、各グループが有機的に情報を交換することにより、迅速かつ総合的なHTLV-1の感染およびHTLV-1関連疾患の発症リスクの低減化が推進できた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123050Z