我が国における一類感染症の患者発生時に備えた診断・治療・予防等の臨床的対応及び積極的疫学調査に関する研究

文献情報

文献番号
201123040A
報告書区分
総括
研究課題名
我が国における一類感染症の患者発生時に備えた診断・治療・予防等の臨床的対応及び積極的疫学調査に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 康幸(独立行政法人 国立国際医療研究センター 国際疾病センター)
研究分担者(所属機関)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 中島 一敏(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 吉川 徹(労働科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
8,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
一類感染症(とくに,ラッサ熱などのウイルス性出血熱)の患者が発生した場合の臨床的対応および積極的疫学調査に関して,実践的な手引き(第一種感染症指定医療機関の医療従事者や保健所職員を主な対象)を作成するとともに,一類感染症に関する医療従事者向け研修プログラムを開発する.
研究方法
一類感染症が稀少疾患で科学的エビデンスに乏しいことに鑑み,班員を中心に国外ガイドラインの参照,関連論文の検討,国内外関連機関の視察を通じて素案を作成し,ワークショップを開催するなどして外部専門家の意見を反映させ,一定の手続きを踏まえた合意形成により,手引きをまとめることとした.国外視察にあたっては,経験の多い欧州連合の機関に重点を置くこととし,英国健康危機管理庁などを対象とした.また,ワークショップには,ロイヤルフリー病院(英国の専門医療機関)から専門家を招聘し,議論を深めることとした.
医療従事者研修プログラムも国外例を参考に我が国にふさわしいものを作成し,第一種感染症指定医療機関の医療従事者を対象に実際に運用して評価をすることとした.
結果と考察
ウイルス性出血熱の疫学・病原体・臨床像,検査診断,職業感染防止の部分について手引き案を作成した.提供する医療,労務管理,リスクコミュニケーション等の課題について,次年度にまとめる予定である.我が国で一類感染症の患者が発生した際に,視察した国外機関と速やかなコンサルテーションの行えることが期待される.
研修プログラムは全国の第一種感染症指定医療機関から医療従事者24名の参加を得て実施した.研修前後のテスト比較により,医師・看護師いずれも学習効果が確認された.このような全国規模の一類感染症を対象とした研修会は感染症法施行後初めての機会であり,第一種感染症指定医療機関のネットワーク形成においても有意義と考えられた.
結論
国内でウイルス性出血熱の患者が発生した際に適切な医療を提供するため,実践的な診断・治療・予防等の臨床的対応の手引きを作成するほか,医療関係者の研修プログラム開発,国内外関連機関とのネットワーク構築など,着実に成果をあげつつある.国際化の時代における日本国民の健康危機管理のために寄与するものと期待される.

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123040Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
11,050,000円
(2)補助金確定額
11,050,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,430,435円
人件費・謝金 596,450円
旅費 4,073,186円
その他 1,400,062円
間接経費 2,550,000円
合計 11,050,133円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2016-07-05
更新日
-