エンテロウイルス感染症制御のための診断・予防治療に関する国際連携研究

文献情報

文献番号
201123030A
報告書区分
総括
研究課題名
エンテロウイルス感染症制御のための診断・予防治療に関する国際連携研究
課題番号
H22-新興・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
清水 博之(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 小池 智((財)東京都医学総合研究所 ゲノム医科学研究分野)
  • 小柳 義夫(京都大学 ウイルス研究所)
  • 板持 雅恵 (岩井 雅恵)(富山県衛生研究所 ウイルス部)
  • 牛島 廣治(日本大学医学部 病態病理学系分野)
  • 山崎 謙治(大阪府立公衆衛生研究所 腸管ウイルス)
  • 藤本 嗣人(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 吉田 弘(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 有田 峰太郎(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
  • 西村 順裕(国立感染症研究所 ウイルス第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
35,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症エンテロウイルス感染症の主たる流行地域であるアジア地域の研究機関と連携し、病原体情報共有体制を整備する。国内外の腸管ウイルス実験室との技術協力および共同研究により、新たな検査法やエンテロウイルス感染動物モデル開発等、重症エンテロウイルス感染症研究基盤の整備を行う。
研究方法
国内外のエンテロウイルス検査・研究機関と連携し、病原体サーベイランスおよびウイルス同定・遺伝子解析に関する国際的技術協力を実施した。病原体の国外移動は困難な場合が多いため、遺伝子解析結果を公開し、国内外におけるウイルスゲノム情報の整備に努めた。エンテロウイルス71(EV71)特異的受容体の機能解析を進め、ウイルス検査法や感染動物モデルへの応用研究を実施した。腸管ウイルス病原体サーベイランスの一環としてIPV移行期におけるポリオサーベイランス等に関する調査研究を行った。
結果と考察
アジア地域のエンテロウイルス実験室におけるウイルス同定・遺伝子解析に関する技術協力を実施した。環境サーベイランス手法の開発研究を進め、中国等における環境サーベイランス導入のための基盤的技術協力を実施した。EV71特異的受容体であるPSGL-1 およびSCARB2の機能解析を進め、受容体機能を利用したエンテロウイルス検査法への応用研究やEV71病原性発現機構解析のための研究を進めた。受容体特異性に基づいたEV71感染モデルの開発研究を実施した。腸管ウイルス感染増殖・病原性発現の比較解析に関する研究成果、および、これらの研究を通じて確立された感染動物モデルは、新たな病原体サーベイランスシステム開発への応用が期待できる。近年新たに発見された様々な腸管ウイルスの遺伝子解析により、アジア諸国における腸管ウイルス伝播状況を明らかにした。IPV移行期におけるワクチン接種控えの増加が懸念されており、様々な手法による病原体サーベイランスにより、国内外のポリオフリーを確認することが重要である。
結論
重症エンテロウイルス感染症の主たる流行地域であるアジア地域の研究機関と連携し、国内外における腸管ウイルス感染症サーベイランス体制を整備し、重症エンテロウイルス感染症の診断および予防治療法を開発するための基盤的研究を実施した。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123030Z