文献情報
文献番号
201122100A
報告書区分
総括
研究課題名
「障がい者総合福祉法(仮称)」下における重症心身障害児者通園事業のあり方に関する研究
課題番号
H23-身体・知的・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
末光 茂(川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科)
研究分担者(所属機関)
- 高嶋 幸男(国際医療福祉大学)
- 西間 三馨(国立病院機構福岡病院)
- 三田 勝己(星城大学大学院 健康支援学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
4,434,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国の「重症心身障害児者制度」は、世界でも例をみない在宅と施設入所を総合した優れた制度である。ただし、入所サービスについては、制度の完成度も高いのに対して、在宅支援は未だ十分に整備されているとはいいがたい。
本研究では、重症児通園利用者の実態把握を踏まえ、新制度の下での支援体制の基準づくりに向けた提言を行うこととした。
本研究では、重症児通園利用者の実態把握を踏まえ、新制度の下での支援体制の基準づくりに向けた提言を行うこととした。
研究方法
(1)全国重症心身障害児・者通園事業施設協議会(290施設)を対象にしたアンケートならびに職員のタイムスタディ調査等を行った。
(2)イギリスとアイルランドでの重症心身障害児者の実態ならびに比較調査をした。
(2)イギリスとアイルランドでの重症心身障害児者の実態ならびに比較調査をした。
結果と考察
(1)全国重症心身障害児・者通園事業施設協議会への加入施設での実態調査の結果、「超重症児・準超重症児」の占める比率は年々増加するなかで、B型(小規模)施設の2割以上で医療的緊急時の連携が確保できていないことが明らかとなり、看護体制の整備の必要性が示された。
(2)国立病院機構福岡病院の実態と分析結果から、「つなぎ法」下での「放課後等デイサービス」と「生活介護」対象者への医療提供システムの不十分さが指摘された。
(3)岡山県(人口約200万人)での在宅重症児の家族へのアンケート調査(228名)により、重症児通園利用者は65%を占め、そこで希望する活動としては、リハビリが28%と最も高く、療育訓練、レクリエーション、創作活動などが続いた。岡山県の実態をもとに、身近なところでの重症児通園の全国への普及には、全国700ヶ所程度が必要と推計された。
(4)重症児通園でのタイムスタディによると、一日147分のケアを受け、ケア時間は介護、社会参加支援、看護の順に長かった。
(5)重症児通園施設での欠席状況を前方視的に調査した結果、登園予定人数の25.1%が欠席していた。欠席の届出が当日・前日の場合の理由は、利用者の体調不良が半数以上を占めた。2日以上前までの届出での欠席理由は、短期入所利用が最も多かった。
(6)イギリスとアイルランドでの重症児施策にかかわる取り組みを紹介し、政策提言に関する報告書を翻訳した。
(2)国立病院機構福岡病院の実態と分析結果から、「つなぎ法」下での「放課後等デイサービス」と「生活介護」対象者への医療提供システムの不十分さが指摘された。
(3)岡山県(人口約200万人)での在宅重症児の家族へのアンケート調査(228名)により、重症児通園利用者は65%を占め、そこで希望する活動としては、リハビリが28%と最も高く、療育訓練、レクリエーション、創作活動などが続いた。岡山県の実態をもとに、身近なところでの重症児通園の全国への普及には、全国700ヶ所程度が必要と推計された。
(4)重症児通園でのタイムスタディによると、一日147分のケアを受け、ケア時間は介護、社会参加支援、看護の順に長かった。
(5)重症児通園施設での欠席状況を前方視的に調査した結果、登園予定人数の25.1%が欠席していた。欠席の届出が当日・前日の場合の理由は、利用者の体調不良が半数以上を占めた。2日以上前までの届出での欠席理由は、短期入所利用が最も多かった。
(6)イギリスとアイルランドでの重症児施策にかかわる取り組みを紹介し、政策提言に関する報告書を翻訳した。
結論
「障害者自立支援法」から「障がい者総合福祉法」への「つなぎ法」下では、重症児通園の法定化と利用者定員の柔軟運用そして児童から成人に至る「児者一貫」療育の保障などの実現をみた。その成果を国内外で検証し、さらなる条件整備の課題を抽出した。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
-