加齢黄斑変性に対する個別化医療実現のための前向き臨床研究にもとづくゲノムワイド関連解析

文献情報

文献番号
201122090A
報告書区分
総括
研究課題名
加齢黄斑変性に対する個別化医療実現のための前向き臨床研究にもとづくゲノムワイド関連解析
課題番号
H23-感覚・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉村 長久(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 山城 健児(京都大学 医学研究科)
  • 根木昭(神戸大学 医学研究科)
  • 米谷新(埼玉医科大学 眼科)
  • 岩田岳(東京医療センター 臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
17,857,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
加齢黄斑変性(AMD)は先進国における社会的中途失明の最大の原因となっており、我が国でも近年急速に増加している疾患である。最近になって光線力学療法や硝子体注射薬といった治療方法が開発されたが、患者ごとに各治療方法の効果が異なることから、これら複数の治療方法から各患者に最適な治療方法を選択できる個別化医療を目指す。
研究方法
AMD個別化医療研究会参加施設(京大、神戸大、埼玉医大、東京医療センター)および協力施設(福島医大、群馬大、山梨大、東大、名市大、阪大、関西医大、島根大、聖隷浜松病院、大塚眼科、宮田眼科)で臨床研究を行った。光線力学療法については各施設で光線力学療法を施行し、1年以上の経過観察が可能であった患者から血液サンプルを採取し、連結可能匿名化を行ったあとにDNA抽出を行い、イルミナ社の2.5Mチップを用いてゲノムワイド関連解析を開始した。抗VEGF薬治療についてはすべての施設での倫理委員会への申請を行ったのちに、各施設から症例のエントリーを行い、通常の抗VEGF治療を順次行う。
結果と考察
光線力学療法を施行済みの96例からDNAを抽出し、イルミナ社の2.5Mチップを用いた一塩基多型の検出が可能であった。現在、治療反応性・治療予後との相関を認める遺伝子を解明するために、ゲノムワイド関連解析を行っている。抗VEGF治療についてはすべての施設での倫理委員会の承認を得た後、web上に作成した症例登録用ページに登録を開始し、256例の登録が得られた。東京医療センター、埼玉医大、神戸大、京大でDNA抽出を行い、京大でゲノムワイド関連解析を行う予定である。
結論
光線力学療法の治療反応性・治療予後との相関を認める遺伝子の候補がみつかった。今後、検証を続けていくことによって、より確かな結果が得られると考える。抗VEGF抗体治療の治療反応性・治療予後との相関を認める遺伝子の探索も、十分な症例数が確保できており、有用な結果が得られると考えられる。光線力学療法および抗VEGF抗体治療の治療反応性・治療予後との相関を認める遺伝子が解明されれば、加齢黄斑変性の個別化医療が実現できると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122090Z