文献情報
文献番号
201122067A
報告書区分
総括
研究課題名
ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)による障害者自立支援機器の開発
課題番号
H22-身体・知的・指定-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中島 八十一(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
- 神作 憲司(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
- 山海 嘉之(筑波大学大学院 システム情報工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
50,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、ブレイン-マシン・インターフェイス(BMI)技術を障害者が実際に使うべく開発し、障害者が失った機能を取り戻し、活動領域を拡張することを目的として研究を行った。
研究方法
国立障害者リハビリテーションセンター研究所(国リハ)において、システム脳神経科学の視点から、障害者の活動領域を拡張させるためのBMI研究開発を行った。これまでの研究で、視覚刺激による脳波信号を用いたワープロ・環境制御装置を開発しており、平成23年度は、これらのシーズをもとに、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等を対象とした実証評価を推進し、患者・障害者や病院スタッフ等からのフィードバックを受けつつBMI機器のさらなる多機能化に向けた研究開発を進めた。また、筑波大学においては、BMIに関しては非侵襲型のインタフェースを用い、また障害者自立支援機器としてはこれまで研究開発を進めてきたロボットスーツHALを改良・活用する研究を行い、平成23年度は、従来装置を改良し研究開発を進めた。
結果と考察
国リハでは、ALS等を対象とした実証評価を推進し、患者・障害者や病院スタッフ等からのフィードバックを受けつつ、新たな視覚刺激を考案するなど実用的なBMI機器としてのさらなる機能拡充を進めた。また、機器操作の簡略化を行うとともに遠隔地間サポートシステムを実装し、研究者が同席せず作業療法士等のみによる機器使用を実現した。筋電や視線等複数の生体由来信号への機器対応を可能とする等、実用化に向けた研究開発も行った。さらに、脳波計についても小型化、無線化を進めた。BMI型アシストスーツについては、軌道生成手法を改善する等、より簡易で随意性の高い機器使用を可能とした。またシステムの最適化に向けて各種神経画像手法を用いて脳信号特性を調査する研究も並行した。さらに、筑波大学では、ロボットスーツHALを改良・活用し、下肢用試験システムの開発推進、ならびに上肢用試験システム、把持動作支援用のハンド・フィンガー部を準備し、実験を行った。
結論
実証評価を進めることで、BMI技術が障害者の自立支援に有用であることが示唆された。今後とも、これまでに研究開発したBMI技術をより実用的なものとし、障害者の活動領域を拡張させる。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
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