障害認定の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
201122064A
報告書区分
総括
研究課題名
障害認定の在り方に関する研究
課題番号
H22-身体・知的・一般-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
江藤 文夫(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 岩谷 力(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 伊藤 利之(社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団)
  • 寺島 彰(浦和大学)
  • 和泉 徹(北里大学)
  • 飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 海野 耕太郎(国立障害者リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,688,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在の身体障害者福祉法における障害等級を当事者の利用資格認定に用いることの妥当性を検証し、医学に基盤を置く障害認定の意義、必要性、あり方をエビデンスに基づき提言する。
研究方法
「障害者手帳の利用状況等に関する調査」として、国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局等を利用する障害者を対象として質問紙法による調査を実施した。また、関東地方の自治体における障害者サービスの受給状況等について調査、分析を実施した。さらに、国際比較の視点から、障害認定に関連した障害統計のためのツール開発について国連ワシントングループの動向に関する調査等を行ったほか、米国における視覚障害認定基準の改正案について調査、考察を行った。
結果と考察
障害者手帳の利用状況等に関する調査については、障害等級や障害種別と日常生活能力との関係等について結果を得た。自治体における障害者サービスの受給状況に関する調査については、障害等級と障害程度区分の関係や障害程度区分と障害別一人当たり費用の関係等についての結果を得た。障害統計に関する国際動向については、ワシントングループや各国における取組状況を通じて、把握した。米国における視覚障害認定基準の改正案の調査結果については、わが国におけるより適切な障害認定方法の考察に有益と考えられる。今年度は、これらの研究結果を通じて、障害を重層的に捉えること、多様なニーズへの優遇・支援策に公平性・公正性を担保する基準、論理の構築、福祉サービスの効果の測定、評価の方法の確立、障害認定の結果を適切に運用する制度づくり、障害認定の将来像のあり方などについて検討を深めることができた。また、今回の調査結果については、今後の国や自治体における施策に役立てるとともに、行政データの集積、解析の中核として省庁の枠を超えた総合的なデータベースの構築が求められる。
結論
障害認定の在り方については、今後とも国・地方を通じた行政データに関する調査を進め、エビデンスの集積を進める必要がある。また、インペアメントと日常生活活動制限・社会参加制約、福祉サービスに係るニーズ、福祉サービスの効果等に関して検証を進め、制度における基準・論理を構築した上で障害認定制度の位置づけ、役割を考えるとともに、社会システムやデータベースの在り方についてさらに検討する必要がある。なお、人工関節置換術後や心臓ペースメーカー挿入術後などについては、現行の障害等級認定の枠内においても見直しを考慮すべきである。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122064Z