重度肢体不自由者用ロボットアームのコスト・ベネフィット評価

文献情報

文献番号
201122063A
報告書区分
総括
研究課題名
重度肢体不自由者用ロボットアームのコスト・ベネフィット評価
課題番号
H22-身体・知的・一般-009
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
井上 剛伸(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 木之瀬 隆(日本医療科学大学 保健医療学部)
  • 小林 庸子(国立精神・神経医療研究センター 病院)
  • 中山 剛(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 )
  • 我澤 賢之(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,114,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年技術革新が進み、市販製品も存在する肢体不自由者用ロボットアームは、頚髄損傷や神経・筋疾患など重度障害者の生活を格段に向上させることが期待されており、ニーズの高い機器である。しかし社会コストを踏まえた検討無しには普及は困難である。本研究では、臨床評価を通して重度肢体不自由者用ロボットアームの在宅利用におけるコスト・ベネフィットを明らかにし、ロボットアーム普及への根拠を提案することを目的とする。
研究方法
研究目的達成の為、1.評価プロトコルの構築、2.頚髄損傷者による有効性の検証、3.神経・筋疾患患者による有効性の検証、4.ロボットアーム導入による社会コストの導出、5.普及に向けた提案、を達成目標として設定した。有効性の検証においては、実験環境内でロボットアームを4時間程度使用する短期評価と、日常生活環境でロボットアームを3カ月程度使用する長期評価を行う。平成23年度は達成目標1、2、3および4の一部の達成を目標とし、神経疾患患者による長期評価予備実験による長期評価プロトコル構築、頚髄損傷者4名、筋疾患患者9名の被験者による短期評価、コスト・ベネフィット推計の為の基礎データ収集、国内での研究会開催などを実施した。評価には現在国内で入手可能なiARMを用いた。
結果と考察
長期評価予備実験を基に、実験方法、評価項目の設定を行い、目標1の長期評価プロトコルの構築を行った。また、短期評価実験を通じて目標2、3の有効性の検証を行い、頚髄損傷者、筋疾患患者において生活の質と自律度・自立度の向上の可能性が示唆された。併せて目標4においてロボットアーム導入及びメンテナンスに要する販売店経費の調査を行い、販売店を介して生じる費用の大きさについて明らかにした。また、長期評価予備実験の被験者へ生活行動調査を実施した。これらの結果より、介助者利用の効率化ならびに介助負担の軽減の可能性が示された。
結論
本年度は、長期評価プロトコルの構築、短期評価による有効性の検証、およびコスト・ベネフィット推計の為の基礎データ収集を行った。次年度は脳性まひ者による短期評価、別機種のロボットアームによる短期評価、5例程度の長期評価を実施し、有効性の検証を更に進める。これらの結果を基にコスト・ベネフィットの推計を行いさらには普及に向けた提案を作成する。

公開日・更新日

公開日
2012-08-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201122063Z