文献情報
文献番号
201122046A
報告書区分
総括
研究課題名
総合的視覚リハビリテーションシステムプログラムの開発
課題番号
H22-感覚・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
仲泊 聡(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
研究分担者(所属機関)
- 西田 朋美(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
- 飛松 好子(国立障害者リハビリテーションセンター 病院)
- 小林 章(国立障害者リハビリテーションセンター 学院)
- 吉野 由美子(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
- 小田 浩一(東京女子大学 現代文化学部 )
- 神成 淳司(慶応義塾大学 環境情報学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,083,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、視覚に障害をもつ者の包括的支援と実態調査が同時進行するシステムを開発することである。視覚障害者には、視力低下などのインペアメントに起因して、視覚経験に基づく運動・移動、セルフケア、家庭生活などの活動制限が生じる。また、視覚要因以外のインペアメントである記憶障害、体力低下、抑うつ状態なども同時に活動制限の原因となっているが、これら全てを配慮した総合的判断に基づく支援プロトコール導出システムは存在しない。本研究の目指すプログラムは、データを与え続ければ、導出される支援プロトコールの妥当性を向上し、同時に不特定多数の対象者の実態やニーズを知ることを可能にする。初年度には、視覚に障害をもつ者の実態調査を行い、その特性を吟味した。二年目となる本年度では、その特性が一般的なものであるかをより広いフィールドで取ったデータから検証し、支援対象の属性およびニーズを入力すると有効と思われる支援プロトコールの候補を出力するアルゴリズムを決定する。
研究方法
実態調査をより広いフィールドで施行し、視覚の最適モデルを検討し、専門職による支援プロトコール選定を参考として、決定木分析により導出原理を模索する。そして、その原理を用いたシステムをインターネットで利用可能とする。
結果と考察
1) 実態調査:平成22年度とほぼ同等の結果が得られた。2) 視力・視野と生活障害・ニーズの発生の関係:視力としては0.5と0.08に、視野としては半径20度のところにカット・オフ値がみられた。3) 視覚の最適モデルの構築:共分散構造解析を用いて視覚モデルを提案した。4) 専門職による支援プロトコール選定:ほとんどの項目で要不要判定を行うことができた。5) 決定木分析:36のnodeを使用して23項目の支援の要不要を判定するアルゴリズムを決定した。6) このアルゴリズムを用いたインターネット上のプロトコール提案システムを構築した。以上より、システムの骨格が構築できた。
結論
当プログラムは、最適化、推奨プロトコールの提案、マクロニーズの解析ができることを目標としている。本年度に開発されたシステムは、初心者が広く使用できるものであるが、すでに最適化されたものではなく、自動最適化システムの構築とマクロニーズの解析についての検証もこれからである。今後、これを実際に活用した臨床観察を行うことにより、最適化を図らなければならない。
公開日・更新日
公開日
2012-08-10
更新日
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