CKD進展予防のための特定健診と特定保健指導のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201121005A
報告書区分
総括
研究課題名
CKD進展予防のための特定健診と特定保健指導のあり方に関する研究
課題番号
H22-腎疾患・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
木村 健二郎(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 毅(福島県立医科大学 医学部)
  • 藤垣 嘉秀(浜松医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 腎疾患対策研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
4,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
CKDは生活習慣の是正によってその発症と進展の予防が期待できる。そこで本研究は、(1)特定健診におけるCKD予防対象の分類基準の策定、(2)CKDステージ別指導内容の確立、(3)健診受診者/保健指導者への教育資材作成、を目的に3年間の計画を策定した。
研究方法
(1)分担研究者の有する58万人規模の特定健診データベースと保健師グループの有する54万人規模の特定健診データを解析する。
(2)全国の自治体と特定健診データ提供についての契約をさらにすすめる。
(3)1日食塩摂取量をアンケートとスポット尿から推定する推算式の有効性を検証する。
(4)保健指導を効果的に実施するため教育資材(初版)を作成する。
(5)連続的血糖測定システムCGMSを使用して、糖尿病CKD患者に対する教育の有効性を評価する。
結果と考察
体重増加10kg以上、糖尿病および肝機能異常はCKDの危険因子であった。さらに、メタボリックシンドロームに着目して生活習慣病予防に取り組むことがCKD予防に通じる事が明らかになった。これらのことは、生活習慣関連の項目がCKDとCKDの高危険群で重要な指導項目となりえることを示している。さらに、本研究を推進するため、130の自治体との契約を完了した。
大阪、川崎および浜松での、スポット尿と食生活アンケートから推定した1日の食塩摂取量と蓄尿から計算した1日食塩排泄量の相関係数は同程度であった。このことは、スポット尿から食塩摂取量を推定する方法は食生活が異なる住民を対象にしても十分に実用に耐えることを示している。
研究班の総力をあげて、保健指導の現場で使うことを目的とした教育資材(初版)を作成した。この教育資材は、保健師の評価をもとに平成24年度に改訂する予定である。
糖尿病合併CKD患者におけるCGMSでは、糖尿病のコントロールが有効であっても、血糖の日内変動幅が大きい症例があることが明らかになった。
結論
1.体重増加、糖尿病、メタボリック・シンドロームおよび肝機能異常はCKDのリスク評価ならびに保健指導プログラム立案上の着眼点となり得る。
2.特定健診データの経年的提供が可能な自治体を新規に募集しデータベースの拡大を図った。
3.スポット尿とアンケートから食塩摂取量を推定する方法は実用に耐える。
4. HbA1cの値が良好でも、グルコース・スパイクが見られる糖尿病合併CKD患者が存在する。

公開日・更新日

公開日
2012-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201121005Z