保健指導実施者の技術の向上を図るための教育方法の開発

文献情報

文献番号
201120045A
報告書区分
総括
研究課題名
保健指導実施者の技術の向上を図るための教育方法の開発
課題番号
H22-循環器等(生習)・若手-022
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小出 恵子(岡山大学 大学院保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 草野 恵美子(千里金蘭大学 看護学部)
  • 小野 美穂(川崎医療福祉大学 医療福祉学部)
  • 北脇 知己(岡山大学 大学院保健学研究科)
  • 山崎 光洋(岡山大学 教師教育開発センター)
  • 岡本 玲子(岡山大学 大学院保健学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
1,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、生活習慣病予防に向け、行動変容を促す保健指導に必要な保健師のコア技術項目の内容妥当性を高め、それを基に教育プログラムを作成・試行し、プログラムを改良することを目的としている。
研究方法
1 行動変容を促す保健指導におけるコア技術項目について
 コア技術項目について、産業・行政分野で特定保健指導に従事している保健師のコンセンサスを得るため、デルファイ法を用いた質問紙調査を2回実施した。1回目では、行動変容を促す保健師の保健指導におけるコア技術項目として、どの程度重要と考えるか4件法で回答を依頼した。2回目は、1回目の調査結果とその修正点を示した上で、コア技術項目として同意するかどうかを尋ねた。
2 教育プログラムの作成・試行について
 教育プログラムは研究チームで検討を重ね、先行研究を参考に作成した。プログラムの内容として、実践のリフレクション、模擬事例検討・ロールプレイ、ポートフォリオを取り入れた。3か月間に4回実施した。評価方法は事前、直後、3か月後に質問紙調査を実施した。アウトカム評価として、コア技術項目の習得度、保健指導に対する自信度、PDS(保健師の専門性発展力尺度)を用いた。プロセス評価としてポートフォリオの記録状況、プログラムの感想等を用いた。
結果と考察
1 行動変容を促す保健指導におけるコア技術項目について
 回収率は1回目64.3%、2回目63.0%であり、全てを有効回答とした。1回目では、保健師のコア技術項目として重要であると回答した割合は、17項目のうち16項目は80%以上だった。また、2回目では、すべての項目について「同意する」と回答した割合は90%以上だった。
2 教育プログラムの作成・試行について
 対象者は10名だった。対象者は全員女性であり、勤務先は市町村8人、病院2人であった。行動変容を促すコア技術項目の習得度の中央値は15項目が上昇、2項目が変化なし、1項目が低下した。そのうち8項目と保健指導に対する自信の程度は有意に上昇した。また、PDSの中央値には有意差が見られなかった。
結論
 コア技術項目に関しては同意率が高く、一定の妥当性が確保されたと考えられる。教育プログラムを試行した結果、コア技術項目の習得度、保健指導における自信度は高まり、本プログラムは保健指導スキルを高めるために効果的と考えられた。今後、3か月後の結果、プロセス評価をふまえてプログラムの改良を図る必要がある。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120045Z