日本人の食事摂取基準の改定と活用に資する総合的研究

文献情報

文献番号
201120037A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準の改定と活用に資する総合的研究
課題番号
H22-循環器等(生習)・指定-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
徳留 信寛(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 敏(東京大学大学院 医学系研究科公共健康医学専攻)
  • 吉池 信男(青森県立保健大学 健康科学部)
  • 森田 明美(国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部)
  • 吉田 英世(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 木戸 康博(京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 応用生命科学専攻)
  • 江崎 治(国立健康・栄養研究所 基礎栄養研究部)
  • 柴田 克己(滋賀県立大学 人間文化学部)
  • 上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部)
  • 石田 裕美(女子栄養大学 栄養学部)
  • 坪田 恵(宇津木 恵)(国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部)
  • 笠岡(坪山) 宜代(国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本人の食事摂取基準の次期改定に資するエビデンスの構築とエビデンスに基づく活用法の創出と検証を実施する。
研究方法
本年度は、以下の課題について調査・研究を実施した。①幅広い生活習慣病に関する既存エビデンスの分析評価 ②同位体を用いたカルシウム及びたんぱく質必要量の推定 ③妊婦・授乳婦のビタミン・ミネラルの栄養摂取状況及び乳児の離乳食の摂取状況調査 ④70歳以上高齢者の栄養摂取・身体状況の調査・分析 ⑤尿の生体指標利用を検討するための介入試験 ⑥実際の現場での活用に関する情報等の収集、及び実行可能なアセスメント方法についての検討 ⑦東日本大震災への対応
結果と考察
平成23年度の主要な成果は、以下のとおりであった。1. 食事摂取基準の策定に参照されたエビデンスのデータベースを構築し、次期策定に向けた基盤整備を行った。日本人の肥満予防に最適な脂肪/炭水化物摂取比率に関する既存の科学論文のレビューを行った。
2. 新しい方法である指標アミノ酸酸化法(IAAO法)を用いて、ヒトのたんぱく質代謝要求量を算出することに成功した(日本人成人男性たんぱく質代謝要求量 0.89 g/kg 体重/day)。
3.妊婦を対象とした研究から、鉄の栄養状態については、循環血液量が増加することによる血液の希釈の影響を考慮する必要性が示唆された。
4.諸外国の栄養士職種の実態調査から、日本と諸外国では食事摂取基準の活用内容が異なる可能性が示唆された。日本の現場での活用において、高齢者施設においては個別に摂取量や栄養状態を観察する必要性や目測による摂取量の精度管理の重要性が示唆された。
5.東日本大震災の被災地に向けて栄養参照量に対応した食品構成および食品具体例を作成した。
結論
本年度は3年計画の2年目であり、本試験を実施し、次期策定を目指したエビデンスの構築・レビューを着実に進めた。活用に関してはアセスメント方法の検討に加え、給食施設での活用上の問題に至るまで多方面からのアプローチに取り組んだ。最終年度はこれまでの成果をまとめるとともに、次期策定に向けて重点領域の抽出や方法論の確立も目指す。また、推定平均必要量が設定できない栄養素については大規模集団を用いた疫学研究を活用しエビデンス構築に展開させる。

公開日・更新日

公開日
2015-10-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201120037Z