生活習慣や心理社会的要因などががん患者の予後や療養生活の質に与える影響を調べる乳がん患者コホート研究

文献情報

文献番号
201119058A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣や心理社会的要因などががん患者の予後や療養生活の質に与える影響を調べる乳がん患者コホート研究
課題番号
H22-がん臨床・一般-035
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
山本 精一郎(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報提供研究部 医療情報評価研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 溝田 友里(独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供研究部)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻生物統計学)
  • 岩崎 基(独立行政法人国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究部)
  • 岩瀬 拓士(癌研究会有明病院乳腺センター)
  • 澤木 正孝(愛知県がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
14,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、前身となる研究班において開始した乳がん患者前向きコホート研究の登録を続けるとともに、新たなコホートの立ち上げも行い、登録数をこれまでの557人から2,000人以上に増やし、長期に追跡することによって、様々な要因(食事・身体活動など生活習慣、就労・サポート・生きがいなど心理社会的要因、代替療法等)がその後の療養生活の質(QOL)や予後(再発、死亡等)に与える影響を疫学的に調べる。また、その成果を患者、家族、医療関係者等に発信し、情報を効果的に普及させるための方法論を確立する。
研究方法
複数の多施設共同臨床試験との共同研究や、単施設におけるコホート研究として、女性乳がん患者の大規模コホート研究を実施している。多施設共同臨床試験の共同研究としては、現在3つのコホート研究(コホート05、06、07)を実施しており、国立がん研究センター中央病院の日常臨床においても、コホート研究(コホートNCC)を実施し、データ収集を進める。全体として数千人規模の登録を目標とする。また、乳がん患者コホートの比較対照群として一般住民コホートも実施している。さらに、研究に並行して、電話相談を主とする患者支援や、研究班ウェブサイト制作などを実施し、研究成果や乳がんに関する情報を効果的に普及させる方法の開発を行う。
結果と考察
今年度の活動として、H19?21年度に開始した臨床試験参加者のコホート(H19?21年度までに525人を登録)への患者の登録と本研究質問票によるデータ収集を進めた。H23年度は新たに667人の患者からベースラインデータが得られ、登録数を大きく伸ばした。H22年度より新たに開始したコホートNCCについては、133人から研究参加同意を得、質問票に加え、血液、組織の収集も行った。4つの乳がん患者コホート全体として、合計1,876人から同意を得、ベースラインデータが得られている。ベースラインデータに関しては、毎年横断的解析を行っており、H23年度も解析を行い結果を公開した。また、乳がん患者コホートの比較対照群である一般住民コホートでは、H23年度は研究対象地域を拡大し、新たに833人からベースラインデータが得られた。研究班ウェブサイトについては、新たなコンテンツ作成と公開を進めた。
結論
対象者登録とデータ収集はH23年度も順調に進められた。データの解析結果が今後、患者の療養生活支援などに直結した即時性のある基礎資料として活用されることが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119058Z