放射線治療期間の短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究

文献情報

文献番号
201119018A
報告書区分
総括
研究課題名
放射線治療期間の短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-018
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加賀美 芳和(昭和大学医学部 放射線医学)
研究分担者(所属機関)
  • 古平 毅(愛知県がんセンター中央病院)
  • 鹿間 直人(埼玉医科大学国際医療センター)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学医学部)
  • 野崎 美和子(獨協医科大学越谷病院)
  • 小口 正彦(がん研究会有明病院)
  • 萬 篤憲(国立病院機構東京医療センター)
  • 秋元 哲夫(国立がん研究センター東病院)
  • 齊藤 吉弘(埼玉県立がんセンター)
  • 松本 康男(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 吉岡 靖生(大阪大学医学部)
  • 柴田 徹(香川医科大学医学部)
  • 中村 和正(九州大学大学院医学研究院)
  • 西山 謹司(大阪府立成人病センター)
  • 宇野 隆(千葉大学大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
31,967,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
治療期間短縮は1)患者の経済的負担が軽減、2)必要通院日数・入院日数が減少し精神的ならびに時間的負担が軽減、3)施設、医療スタッフへの負担が軽減でき医療資源を有効に活用できるという利点がある。臨床試験により放射線治療期間短縮の安全性と有効性を検証することが目的である。
研究方法
「T1-2N0M0声門癌に対する放射線治療の加速照射法と標準分割照射法のランダム化比較試験」(JCOG0701)、「乳房温存療法の術後照射における短期全乳房照射法の安全性に関する多施設共同試験」(JCOG0906)および「前立腺癌に対するIMRT/IGRT併用寡分割照射法の第II相臨床試験」計画実施する。JCOG0701、JCOG0906の附随研究として遺伝子多型の解析研究を行う。
結果と考察
平成23年度の研究の進捗状況について記載する。
1)JCOG0701:平成24年3月現在326例の登録が行われている。現在までに4回のプロトコール改訂を行った(平成21年2月、6月、11月、平成23年11月)。平成23年11月の4回目改訂で予定登録数の増加(360例を370例に)、登録期間の延長(4年を5年に)を行った。原発巣の治療効果に関する中央判定は年2回行っている。放射線治療QAを施行している。2)JCOG0906:平成22年3月より症例登録が開始された。平成24年3月現在266例の登録が行われている。現在までに2回のプロトコール改訂を行った。平成23年7月の2回目では登録期間を1年から2年6月に延長した。整容性中央判定、放射線治療QAを行っている。3)「声門がん」附随研究として遺伝子多型の解析研究が行われている。平成23年1月より試料採取が開始されている。平成23年12月現在、191例登録され、順調に進行している。4)「乳がん」の附随研究としての「遺伝子多型解析研究はプロトコール審査がJCOGで行われている。5)「前立腺癌に対するIMRT/IGRT併用寡分割照射法の第II相臨床試験」はプロトコールが完成し各施設倫理審査委員会で承認され次第順次登録を開始できる段階となった。


結論
JCOG0701、JCOG0906はプロトコール改訂を行い順調に症例登録が進んでいる。「前立腺癌」はプロトコールが完成し症例登録開始を準備中である。
JCOG0701附随研究では平成23年1月より試料採取が開始がされた。JCOG0906附随研究はプロトコール審査中である。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

文献情報

文献番号
201119018B
報告書区分
総合
研究課題名
放射線治療期間の短縮による治療法の有効性と安全性に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-018
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
加賀美 芳和(昭和大学医学部 放射線医学)
研究分担者(所属機関)
  • 古平 毅(愛知県がんセンター中央病院)
  • 鹿間 直人(埼玉医科大学国際医療センター)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学医学部)
  • 野崎 美和子(獨協医科大学越谷病院)
  • 小口 正彦(がん研究会有明病院)
  • 萬 篤憲(国立病院機構東京医療センター)
  • 秋元 哲夫(国立がん研究センター東病院)
  • 齊藤 吉弘(埼玉県立がんセンター)
  • 松本 康男(新潟県立がんセンター新潟病院)
  • 吉岡 靖生(大阪大学医学部)
  • 柴田 徹(香川医科大学医学部)
  • 中村 和正(九州大学大学院医学研究院)
  • 西山 謹司(大阪府立成人病センター)
  • 宇野 隆(千葉大学大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
治療期間短縮は1)患者の経済的負担が軽減、2)必要通院日数・入院日数が減少し精神的ならびに時間的負担が軽減、3)施設、医療スタッフへの負担が軽減でき医療資源を有効に活用できるという利点がある。臨床試験により放射線治療期間短縮の安全性と有効性を検証することが目的である。
研究方法
「T1-2N0M0声門癌に対する放射線治療の加速照射法と標準分割照射法のランダム化比較試験」(JCOG0701)、「乳房温存療法の術後照射における短期全乳房照射法の安全性に関する多施設共同試験」(JCOG0906)、「前立腺癌に対するIMRT/IGRT併用寡分割照射法の第II相臨床試験」を実施する。JCOG0701、JCOG0906の附随研究として遺伝子多型の解析研究を行う。
結果と考察
平成21年度から平成23年度の期間での研究の進捗状況。
1) JCOG0701:平成24年3月現在326例の登録が行われている。4回のプロトコール改訂を行った。(平成21年2月、6月、11月、平成23年11月)改訂内容は治療開始時期と治療スケジュール規定の明確化、登録前胸部写真を省略できる条件を追加、T因子の適格性判断にCT所見を追加、中止規準に該当するが臨床的には治療継続が妥当な場合の規定追加、適格規準変更などであった。4回目の改訂では予定登録数の増加、登録期間の延長を行った。年2回の治療効果に関する中央判定、放射線治療QAを施行している。平成22年9月第1回中間解析で試験継続が承認された。
2)JCOG0906:平成24年3月現在266例の登録が行われている。2回のプロトコール改訂を行った。(平成22年10月、平成23年7月)1回目の改訂内容は術後補助化学療法の適応変更、病期分類の修正、レベルⅠ腋窩郭清で転移陰性であった例でレベルⅡまで郭清していなくとも適格とする追記、トラスツズマブ推奨投与法の変更、診療報酬点数改訂に伴う医療費の変更などであった。2回目では登録期間を延長した。整容性中央判定、放射線治療QAを行っている。
3)JCOG0701附随研究として遺伝子多型解析研究が行われ平成23年1月より試料採取が開始されている。平成23年12月現在、191例登録されている。
4)「乳がん」の附随研究として遺伝子多型解析研究のプロトコール審査中である。
5)「前立腺癌」はプロトコールが完成し各施設IRBで承認され次第順次登録を開始できる段階となった。
結論
臨床試験は順調に進捗し研究目的を遂行できる見込みである。

公開日・更新日

公開日
2015-05-21
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201119018C

成果

専門的・学術的観点からの成果
放射線治療期間短縮の安全性と有効性を検証することを目的に行っている研究である。目的遂行のための臨床試験は順調に症例登録が進み、JCOG0701,JCOG0906では登録が終了した。現在「前立腺癌」で登録中である。附随研究として行われている遺伝子多型解析研究はわが国では数少ない前向き研究として行われている。
臨床的観点からの成果
放射線治療期間短縮の安全性と有効性を検証することを目的に行っている研究である。目的遂行のための臨床試験計画実施しているがJCOG0701,JCOG0906では登録が終了し「前立腺癌」で登録中である。有効性、安全性などの臨床的評価は今後行われる。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
平成24年診療報酬改定で新設の外来放射線照射診療料の中央社会保険医療協議会での審議に際してJCOG0701およびJCOG0906の放射線治療有害反応データを提供した。
平成26年度診療報酬改定でM001 体外照射の項の注2で「1回の線量が2.5Gy以上の全乳房照射
を行った場合は、1回線量増加加算として、460点を所定点数に加算する。」が加わった。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
3件
その他論文(和文)
2件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
第21回乳癌学会、第145回日本医学会シンポジュウム
学会発表(国際学会等)
1件
第6回IFHNOS
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
1件
乳がんのベストアンサー(主婦と生活社)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Nakamura, K., Kodaira, T., Shikama, N., et al.
Accelerated Fractionation versus Conventional Fractionation Radiation Therapy for Glottic Cancer of T1-2N0M0 Phase III Study: Japan Clinical Oncology Group Study (JCOG 0701)
Japanese Journal of Clinical Oncology , 38 (5) , 387-389  (2008)
原著論文2
Nakamura, K., Akimoto, T., Mizowaki, T. et al.
Patterns of practice in intensity-modulated radiation therapy and image-guided radiation therapy for prostate cancer in Japan
Japanese Journal of Clinical Oncology , 42 (1) , 53-57  (2012)
原著論文3
Nozaki, M., Kagami, Y., Mitsumori, M. et al.
A Multicenter Investigation of Late Adverse Events in Japanese Women Treated with Breast-conserving Surgery plus Conventional Fractionated Whole-breast Radiation Therapy
Japanese Journal of Clinical Oncology , 42 (6) , 522-527  (2012)

公開日・更新日

公開日
2015-04-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119018Z