相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201119003A
報告書区分
総括
研究課題名
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
高山 智子(独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報提供研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 睦弓(静岡県立静岡がんセンター(研究所))
  • 菊内 由貴(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究部))
  • 大松 重宏(兵庫医科大学)
  • 朝倉 隆司(東京学芸大学)
  • 岡本 直幸(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所))
  • 唐渡 敦也((財)癌研究会)
  • 須田 木綿子(東洋大学)
  • 池山 晴人(独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター))
  • 加藤 雅志(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 八巻 知香子(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 小川 朝生(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 田尾 絵里子(独立行政法人国立がん研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
16,393,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方についてあげられる6つの課題、1.相談支援ツールの開発と評価、2.相談員の効果的な継続教育方法、3.患者団体等との連携のあり方、4.相談支援センターの広報方法、5.院内外における相談支援センターの機能、役割と位置づけ、6.全国の相談支援センターの連携と情報共有に関する検討を行った。
研究方法
文献検討、質問紙調査、半構造化インタビュー調査、地域住民調査、既存調査結果を用いた二次分析と事例調査等の方法により、平成23年度は、6つの課題それぞれについて以下の13の検討を行った。(1)相談支援ツールの開発と評価、(2)がん専門相談員に求められる心理的な問題への対応スキルに関する検討、(3)がん専門相談員の学習教材の開発と活用方法に関する検討、(4) 相談支援相談員の交流研修の実施とその効果に関する検討、(5)がん相談支援センターにおける相談の質の向上プログラムの開発、(6)相談支援センターと患者会の連携協力体制に関する現状と今後の体制作りに関する検討、(7)がん診療連携拠点病院の相談支援センターとがん当事者の連携・協働の実態に関する調査研究、(8)相談支援センターにおける効果的な情報収集と発信に関する検討、(9)相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討、(10) (11)外来通院患者の困りごとと相談ニーズに関する検討(1)(2)、 (12)神奈川県立がんセンターにおける電話相談の相談内容に関する分析とがん患者の相談ニーズに関する検討、(13)全国の相談支援センター関係者の情報共有の場とそうした場のニーズに関する検討を行った。
結果と考察
相談支援センターの実態を丹念な把握を行うことで、具体的な対応策についても示すことができたと考えられる。相談支援センターにおけるがん医療の情報提供と相談対応の均てん化のためには、施設内、地域内、国内それぞれでの役割や機能などに応じたさらなる分析を行うと共に、明らかになったこと対して、役割に応じた具体的な取り組みを示していく必要があると考えられた。
結論
今後は、これら浮かび上がってきた課題をさらに検討し、実際の場面へ応用し、活用していくための検討や情報共有する場が必要になると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

文献情報

文献番号
201119003B
報告書区分
総合
研究課題名
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究
課題番号
H21-がん臨床・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
高山 智子(独立行政法人国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報提供研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 睦弓(静岡県立静岡がんセンター(研究所))
  • 菊内 由貴(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究部))
  • 大松 重宏(城西国際大学)
  • 朝倉 隆司(東京学芸大学)
  • 岡本 直幸(地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所))
  • 唐渡 敦也((財)癌研究会)
  • 須田 木綿子(東洋大学)
  • 池山 晴人(独立行政法人国立病院機構(近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター))
  • 加藤 雅志(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 八巻 知香子(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 小川 朝生(独立行政法人国立がん研究センター)
  • 田尾 絵里子(独立行政法人国立がん研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
相談支援センターの業務と役割については、「がん対策基本法」に基づき策定された「がん対策基本計画」や「がん診療連携拠点病院に関する指針」の中で、相談支援センターの質的および量的な充足や受入れ体制の強化の必要性、また、患者団体等との連携などの活動促進の必要性が示され、相談支援センターの整備は急務の課題となっている。本研究では、相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方についてあげられる課題について、5つの課題、1.相談支援ツールの開発と評価、2.相談員の効果的な継続教育方法、3.患者団体等との連携のあり方、4.相談支援センターの広報方法、5.院内外における相談支援センターの機能、役割と位置づけに関する検討を行った。3年目にあたる平成23年度は、5つの課題の検討を進めると共に、新たに課題として考えられた全国の相談支援センターの連携と情報共有に関する検討についても6つ目の課題として検討を行った。
研究方法
文献検討、質問紙調査、半構造化インタビュー調査、地域住民調査、既存調査結果を用いた二次分析と事例調査等の方法により、平成21?23年度の3年間において、6つの課題それぞれについて32の検討を行った。
結果と考察
相談支援センターの実態を丹念な把握を行うことで、具体的な対応策についても示すことができたと考えられる。また各課題からの検討により、相談支援センターにおけるがん医療の情報提供と相談対応の均てん化のためには、施設内、地域内、国内それぞれでの役割や機能などが異なり、それぞれに合った方法での取り組みが必要になってくることが示された。
結論
全国のがん診療連携拠点病院の相談支援センターは、病院の設立背景や地域での役割、その病院内の役割など、さまざまな関係や影響を受ける状況に置かれている。それぞれの置かれた立場により相談支援センターの機能やあり方についての解釈が異なることが、実態把握の結果から示された。また、相談支援センターの現状を丹念に描写することにより、相談支援センターの機能が十分に発揮されていない原因が浮かび上がり、今後検討するべき優先的課題が示されたと考えられる。今後は、これら浮かび上がってきた課題をさらに検討し、実際の場面へ応用し、活用していくための検討が必要になると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-12-18
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201119003C

成果

専門的・学術的観点からの成果
相談対応や相談支援に関する学術的な研究は、国内外ともに十分にあるとは言えない。本研究班では、「相談支援のプロセス」について定義し、概念整理を行った。また研修プログラムを開発する過程において、概念レベルから実践に至る過程について精緻化を行い、研修プログラムとしてほぼ完成に至った専門的・学術的な意義は高いと考えられる。
臨床的観点からの成果
本研究班で開発・精緻化を行った「相談支援のプロセス」に関する研修プログラムは、すでに国立がん研究センターがん対策情報センターが提供する研修プログラムに反映され、活用されている。またがんの領域以外の疾患の相談支援プロセスに関する研修会においても応用して利用されている。
ガイドライン等の開発
「相談支援のプロセス」に関する研修プログラムの開発と共に、研修時に活用されるファシリテータ・マニュアルの開発を行った。このマニュアルについても、すでに国立がん研究センターがん対策情報センターが提供する研修プログラムに反映され、活用されている。
その他行政的観点からの成果
本研究班で検討を行った「相談支援センターの現状と課題、そして目指すべき方向性」報告書は、全国の都道府県、がん診療連携拠点病院病院長および相談支援センターへH22年4月に送付され、一部の自治体や拠点病院内では検討資料として利用された。第35回がん対策推進協議会(H24年9月)において、相談支援センターの研究成果の一部を報告した。
その他のインパクト
研究班主催で「がん相談支援研究会」がH23年8月に開催され、170名を超える関係者が全国から参集した。その後、「がん相談研究会」として、相談支援センターの実務者らを中心とした有志により、研究会が継続して行われている。今後の自主的な研究や教育の研鑽の場の礎になったと考えられる。

発表件数

原著論文(和文)
2件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
19件
その他論文(英文等)
9件
学会発表(国内学会)
67件
学会発表(国際学会等)
14件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
1件
その他成果(普及・啓発活動)
1件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
大松重宏
がん患者会の活動実態についての調査~ピア・サポートと社会活動を中 心に~
ルーテル学院研究紀要 , 45 , 77-89  (2011)
原著論文2
大松重宏
がん患者会におけるピア・サポートに関する考察~認知の再構築の視点~
医療社会福祉研究 , 20 , 51-59  (2012)

公開日・更新日

公開日
2017-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201119003Z