蛍光内視鏡をめざした高分子型分子プローブの創製

文献情報

文献番号
201118059A
報告書区分
総括
研究課題名
蛍光内視鏡をめざした高分子型分子プローブの創製
課題番号
H23-3次がん・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
前田 浩(崇城大学DDS研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 方 軍(崇城大学 DDS研究所/薬学部)
  • 中村 秀明(崇城大学 DDS研究所/薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,279,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、在来の固型癌の肉眼による検出限界を蛍光内視鏡にすることで理論的には10から100倍高めることが可能になる。さらにその光っている個所に対して選択的に一重項酸素を生じさせることができる蛍光色素を用いれば超早期検出と治療が同時に可能になり癌治療がより容易になる。さらにこの方法は外来で可能となり、奏効率も高くなると予想されることから医療経済の面においても医療費も低減化できるなど、社会的意義は大きい。
研究方法
これまで蛍光内視鏡の開発が未開であったのは、主に腫瘍選択的に集積する蛍光/光増感[分子プローブがなかったこと、さらに630 nmのHeNeレーザー光しか皮下に到達しないと思われていたことの2つの理由による。この2つの問題に対して、内視鏡のキセノン(Xe)光源を手にひらに照射すると厚さ2-3 cmの手を透過し手の甲まで到達する。また、腫瘍選択的にプローブ分子を集積させる方法としては、その高分子化によって可能となる。即ち、これら分子プローブを含有する高分子のミセルや高分子結合物にすることで、いわゆるEPR効果という当申請者の発見した原理を応用することが可能になり、腫瘍集積化が高率に可能になる。
結果と考察
(1)高分子プローブとして下記のものの作製に成功した。
(i) HPMA-ZnPP、(ii) SMA-ICGミセル、(iii) テトラエチルローダミン標識ヒトアルブミン、(iv) 同ローダミン標識トランスフェリン、(v) SMA-ローズベンガル、(vi) SMA-メチレンブルー
(2)上記の(i)-(vi)を用いて、IVIS社のイメージング装置により生きた担癌マウスの腫瘍を確実に検出できた。
(3)①は光照射(キセノン光源)で腫瘍の蛍光検出とともに、一重項酸素を発生し、著名な抗腫瘍効果を認めた(マウスS-180腫瘍)。
(4)蛍光内視鏡によるラットモデルの実施への第一歩の目途が得られた。

結論
IVIS蛍光イメージング装置により、非常にクリアに蛍光高分子プローブ投与後2時間から数時間で腫瘍が検出できた。しかも、光照射で腫瘍の著明な退縮をみとめている。今後、さらにメーカーと協力してより実用化を見据えた展開が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118059Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,500,000円
(2)補助金確定額
19,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,994,951円
人件費・謝金 5,508,800円
旅費 1,335,287円
その他 439,962円
間接経費 4,221,000円
合計 19,500,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
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