在宅がん患者・家族を支える医療・福祉の連携向上のためのシステム構築に関する研究

文献情報

文献番号
201118052A
報告書区分
総括
研究課題名
在宅がん患者・家族を支える医療・福祉の連携向上のためのシステム構築に関する研究
課題番号
H22-3次がん・一般-037
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
山口 建(静岡県立静岡がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 野村 和弘(独立行政法人労働者健康福祉機構 東京労災病院)
  • 土居 弘幸(岡山大学 大学院 医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野)
  • 片山 壽(社団法人 尾道市医師会)
  • 濃沼 信夫(東北大学 大学院 医学系研究科)
  • 山口 直人(東京女子医科大学 医学部 衛生学公衆衛生学第二講座)
  • 山下 浩介(社会医療法人北斗 北斗病院 診療部 在宅医療科)
  • 北村 有子(静岡県立静岡がんセンター 研究所 患者・家族支援研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
20,371,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がん患者や家族の視点に立った、病院医療と在宅医療とをシームレスに結ぶ患者満足度の高いがん診療システムの構築とそこで必要なツール類の開発を目指す。
研究方法
医療事情が異なる地域の分析から、がん患者の診療や暮らしにとって最善な医療体制に関する研究を進め、さらに、がん診療連携拠点病院等を対象としたアンケート調査の結果も踏まえ、医療連携に重要な機能について研究した。さらに、在宅医療を受ける患者・家族に役立つ各種ツール類の開発を目指した。
結果と考察
1)医療事情が異なる地域で、がん患者の診療や暮らしにとって最善な医療体制を研究し、さらに、がん診療連携拠点病院等を対象としたアンケート調査により、今後の外来のあるべき姿を検討し、病院と地域の多職種チーム医療とをシームレスに結ぶ医療連携システムの要は地域の多職種チーム医療の整備と外来部門のコーディネート機能にあると考えた。この結果をもとに、静岡がんセンターの外来部門の再構築を進めた。
2)電子カルテの共有を基盤技術とした病院と地域をシームレスにつなぐ医療連携システムのプロトタイプを完成させた。このシステムは全国の拠点病院を中心とした医療連携に応用可能である。
3)医師会主導で在宅緩和ケアを実践する尾道方式では、患者満足度が高い在宅での最期の看取りが実現されている。フランスや国内各地の事例との比較により、その改善に努めた。この方式は、医師会主導の地域モデルとして標準化することによって、全国的に普及することが期待される。
4)患者・家族に役立つ“病態別レジメン別がん治療説明書”として、“情報処方”のコンセプトに基づき、抗がん剤治療患者を対象とした食事の摂取、口腔粘膜炎、脱毛、眼の症状に関する小冊子を作成し、全国の拠点病院等に配布し、ウエブサイトで公開した。
結論
がん患者と家族の暮らしを守るという「がんの社会学」の視点に立って、病院と地域、それぞれの多職種チーム医療をシームレスに結ぶシステムを構築し、そこで必要となる患者の視点に立った情報作りを行い、全国への普及を目指した。

公開日・更新日

公開日
2015-05-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201118052Z