認知機能低下高齢者への自立支援機器を用いた地域包括的システムの開発と評価

文献情報

文献番号
201116017A
報告書区分
総括
研究課題名
認知機能低下高齢者への自立支援機器を用いた地域包括的システムの開発と評価
課題番号
H23-認知症・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 佳典(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 粟田 主一(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所 )
  • 細井 孝之(国立長寿医療研究センター)
  • 亀井 智子(聖路加看護大学老年看護学講座)
  • 渡辺 修一郎(桜美林大学大学院老年学研究科)
  • 植木 章三(東北文化学園大学大学院健康社会システム研究科)
  • 稲葉 陽二(日本大学法学部)
  • 松本 真澄(首都大学東京大学院・都市環境科学研究科)
  • 田中 千晶(桜美林大学総合科学系)
  • 野中 久美子(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所 )
  • 深谷 太郎(地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 東京都健康長寿医療センター研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 認知症対策総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
14,873,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急増する独居の認知機能低下高齢者の自立生活を支援するためにはその多様なリスクをより早期に発見し、健康障害や生活機能低下を予防することが重要である。本研究の目的はこれら予防的支援機器を開発・導入し、地域包括支援センターや介護事業者等(以後、地域ケア機関)が効果的・効率的に活用できるシステムを呈示することである。
研究方法
システムのデザインは(1)室内では赤外線見守り人感センサーにより対象者の行動をモニタリングし、行動変化を定量的に捉えるアルゴリズムを開発し、変化信号をコールセンターに提供する。コールセンターから地域ケア機関、家族等に必要な情報を提供する。(2)室外では、緊急連絡機能および通信型歩数計機能等を付した多機能キーホルダーを導入する。もって、1)対象者の日常行動パターンを把握し、2)通常パターンからの逸脱を早期に察知し、認知機能障害の重症化やBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)、閉じこもりの予防をめざす。
結果と考察
パイロット試験対象者は、首都圏在住の65歳以上在宅独居高齢者(上記(1)(2)使用の介入群15人vs.未使用の対照群21人。両群とも平均年齢80歳、MMSE25点、うち要介護認定者10人)である。第一回調査(2011/10)で示された介入群と対象群の特徴(年齢、認知機能や要介護度、生活機能、抑うつ度)に有意差は見られなかった。地域ケア機関職員や別居家族への事前予備調査から、対象者の認知機能低下により本人申告の信憑性が薄く睡眠や外出、食事状況の把握が困難であり、センサーによるそれらの感知への期待が強いことがわかった。センサー設置後、地域ケア機関への情報伝達形態について検討を開始した。アラームメールの設定や多機能キーホルダーの操作や携帯において課題が明らかになった。一方、対照群は従来の日常生活およびケア・見守りサービスを継続している。
結論
認知機能が低下した独居高齢者の生活リズム・パターンの把握は困難であり、本機器への別居家族や地域ケア機関職員の期待は大きい。しかし、センサー、多機能キーホルダーともに機器の機能面・利用者のコンプライアンスにおいて解決すべき課題がある。

公開日・更新日

公開日
2012-08-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201116017Z