運動器疾患の評価と要介護予防のための指標開発および効果的介入方法に関する調査研究

文献情報

文献番号
201115023A
報告書区分
総括
研究課題名
運動器疾患の評価と要介護予防のための指標開発および効果的介入方法に関する調査研究
課題番号
H23-長寿・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
阿久根 徹(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 中村 耕三(国立障害者リハビリテーションセンター)
  • 鈴木 隆雄(国立長寿医療研究センター研究所)
  • 大内 尉義(東京大学 医学部附属病院)
  • 藤原 佐枝子(放射線影響研究所)
  • 大渕 修一(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 西脇 祐司(東邦大学医学部)
  • 萩野 浩(鳥取大学医学部)
  • 大西 五三男(国際医療福祉大学臨床医学研究センター)
  • 時村 文秋(東京都健康長寿医療センター)
  • 西村 明展(三重大学大学院医学系研究科)
  • 吉村 典子(東京大学医学部附属病院)
  • 帖佐 悦男(宮崎大学医学部附属病院)
  • 藤野 圭司(藤野整形外科医院)
  • 安村 誠司(福島県立医科大学)
  • 島田 洋一(秋田大学医学部附属病院)
  • 遠藤 直人(新潟大学教育研究院医歯学系)
  • 星野 雄一(自治医科大学)
  • 高岸 憲二(群馬大学医学部附属病院)
  • 石橋 英明(伊奈病院)
  • 千田 益生(岡山大学医学部附属病院)
  • 石田 健司(高知大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
47,420,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
運動器障害は要介護の主要原因だが、運動器の客観定量評価法や運動器リスク解明が不十分なことが、高リスク者の発見の遅れにつながりやすいと考えられる。また運動介入は高齢者の生活機能を向上させ、運動器介護予防事業参加高齢者に対して有効であるが、不参加者には効果が無いため、参加、継続し易いシステムの開発が求められている。本研究の目的は、1:運動器の客観定量評価法を開発し、運動器障害や要介護移行予測指標を開発するとともに、2:運動機能訓練(ロコトレ)と電話呼びかけ(ロコモコール)を組み合わせて、異なる地域事情においても柔軟に運用できる効果的在宅運動介入システムを構築することである。
研究方法
運動器評価法・指標開発研究では、各コホート調査データの横断的・縦断的解析により、運動機能指標の基準値解明、要介護移行率の解明、骨強度・骨折リスク評価、転倒リスク・骨折後高齢者機能評価、変形性関節症の定量指標、膝動揺性、大腿筋厚と運動器リスクの検討、高齢者脊柱後弯評価を行った。また、運動介入研究では、全国各地の介入フィールドの地域在住高齢者を対象に、3カ月間のロコトレとロコモコールを実施して、運動・生活機能評価、参加率、継続率を検討した。
結果と考察
一般住民集団2,468人の横断的解析より、握力・大腿筋量・歩行速度・片足立ち時間の男女別年齢別基準値を解明し、65歳以上の967人の追跡調査により要介護移行率が、2.44/100人年であることを明らかにし、他のコホートデータ解析から、骨強度・骨折・転倒リスク、骨折後機能評価、関節・筋指標と運動器リスク、脊柱後弯と運動器関連ADLとの関係を解明した。一方介入研究では、全国9地域の介入フィールドにおいて、在宅運動介入を開始し、今年度参加者310名を得て、更なる症例数を蓄積中である。山形県天童市の先行事例では、本プログラムにより、従来の通所型介護予防事業のみの参加から58.3%の増加が得られ、継続率は83.3%で、日常生活機能の改善を得た。今後、更に評価法とリスク解明研究を進めるとともに、地域事情が異なる各地域で在宅運動介入の有用性を得るためのシステム改良を検討する予定である。
結論
運動器機能指標の基準値解明、運動器評価法の開発および運動器リスク指標を検討し、また運動介入研究では全国展開を開始し、先行事例における本プログラム有効性を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2012-06-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201115023Z