文献情報
文献番号
201115015A
報告書区分
総括
研究課題名
災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に関するガイドライン作成に関する研究
課題番号
H22-長寿・一般-003
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森本 茂人(金沢医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 和藤 幸弘(金沢医科大学 医学部)
- 高橋 孝(北里大学 大学院感染制御科学府)
- 飯島 勝矢(東京大学 高齢社会総合研究機構)
- 横野 浩一(神戸大学 医学部)
- 葛谷 雅文(名古屋大学 医学部)
- 服部 英幸(独立行政法人国立長寿医療研究センター 行動・心理療法部)
- 中橋 毅(金沢医科大学 医学部)
- 久藤 茂(医療法人社団慈豊会久藤病院 (加賀市医師会))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
15,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
昨今、我が国においては地震が多発し、さらには台風、大雨などによる土砂災害が毎年のように繰り返されている。我が国における災害被災者の大多数は高齢者である。本研究においては、「災害時高齢者医療の初期対応と救急搬送基準に関するガイドライン」の提起を目的とし、医療スタッフ向けに、および疾病予防を中心に一般救護者向けに、策定する。
研究方法
ガイドラインには、災害の超急性期、急性期、亜急性期、慢性期の経時的に高齢者に起こりうる、1)災害発生時の経時的に高齢者に起こりうる医療需要予測・評価、2)急性期疾患発症と初期対応、搬送基準、3)慢性期疾患発症と対応、搬送基準、4)主要症候と初期対応法、5)自治体の初期対応と福祉避難所設営、6)自治体他の医薬品、医療機材の備蓄、7)高齢者家屋の防災処置、8)過去の災害における高齢者医療出動、の各項目につき調査し、策定した。これらの調査は「疫学研究に関する倫理指針」「臨床研究に関する倫理指針」を尊守して行なわれた。
結果と考察
平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、被災した高齢者における医療現場の厳しい現状における高齢者医療・介護に資すべく、急遽「高齢者災害時医療ガイドライン」および「一般救護者用災害時高齢者医療マニュアル」として平成23年3月22日に日本老年医学会ホームページ(http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)に掲載した。また「一般救護者用災害時高齢者医療マニュアル」については冊子体として、日本老年医学会会員が所属する病院からの救護班および各都道府県の日本医師会JMATを通じて被災各県の避難所に約2万分を配布し、被災高齢者の慢性疾患の増悪予防、災害関連死の低減を期した(NHKで紹介)。さらにこれらの活動やガイドライン内容を米国老年医学会雑誌および日本老年医学会英文雑誌 に英文で報告し、海外に情報発信した。また、これらガイドラインを、全国の47都道府県および1,742市町村、47都道府県医師会および日本医師会本部に郵送した。
結論
「一般救護者用・災害時高齢者医療マニュアル」および「高齢者災害時医療ガイドライン」を通して、災害時の高齢者医療の在り方につき、規範を示しえた。
公開日・更新日
公開日
2012-06-18
更新日
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