文献情報
文献番号
201115011A
報告書区分
総括
研究課題名
骨粗鬆症の尿スクリーニング検査の費用対効果に関する研究
課題番号
H21-長寿・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
新飯田 俊平(独立行政法人 国立長寿医療研究センター 遺伝子蛋白質解析室)
研究分担者(所属機関)
- 上西 一弘(女子栄養大学栄養学部)
- 濃沼 信夫(東北大学大学院)
- 田中 清(京都女子大学家政学部)
- 池田 義孝(佐賀大学大学院)
- 田中 伸哉(埼玉医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
7,795,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、尿γ-glutamyltranspeptidase(uGGT)検査を骨粗鬆症検診に利用した場合の有効性とその費用対効果について検討することを目的とする。検査に掛かる費用が極めて安価だが、擬陽性を多く判定する傾向がある。そこで、この検査法がより効果的に機能する条件(採尿時間・適用年齢・カットオフ値など)について検討を行った。また、昨年度実施分の検診結果を基に費用対効果の算出を行った。
研究方法
被験者は愛知県大府市および東浦町在住の40歳以上の女性(平均年齢60.9歳)2,102人。uGGT検査のカットオフ値を50.9とし、それ以上を要精査、45.2~50.9未満を要観察、45.2未満を正常とした。東浦町の879人については、uGGT検査と同じ日に踵骨BMD測定を行った。また、受検者全員に骨折リスク評価票(FRAX)の記入を実施した。費用対効果については、2010年度実施分の検診成績を基に、効果を有病者の発見数、費用を一次検診と二次検診の経費として算出した。
結果と考察
要精査に区分された人数は780人。率にして昨年より10ポイント以上減り、受検者の約37%となった。これにより旧カットオフ値(45.2)の時より擬陽性の減少が見込まれるが、その一方で有病者の見逃しが増える可能性もある。その評価は今後の二次検診者の成績の集計を待つことになる。ちなみに、現時点まで二次検診を受けた者は70人(9.0%)で、うち40人(陽性適中率57.1%)が骨粗鬆症または骨量減少症と診断された(例年要精査区分の約25%が二次検診を受検する)。
昨年度の検診成績から費用対効果を算出した。その結果、uGGT検査はBMD測定より5倍の費用対効果があった。自治体の負担する一次検診コストのみで比較した場合は40倍でった。uGGT検査とFRAX問診を併用したところ、いずれの自治体とも検診の感度が改善した。このことから、両者併用はさらなる費用対効果が期待できる。
尿検診に最適な採尿時間について検討した。その結果、既存の骨吸収マーカーと同じ日内変動が確認され、早朝尿が適していることが示された。また食事の影響はとくに受けないと考えられた。
昨年度の検診成績から費用対効果を算出した。その結果、uGGT検査はBMD測定より5倍の費用対効果があった。自治体の負担する一次検診コストのみで比較した場合は40倍でった。uGGT検査とFRAX問診を併用したところ、いずれの自治体とも検診の感度が改善した。このことから、両者併用はさらなる費用対効果が期待できる。
尿検診に最適な採尿時間について検討した。その結果、既存の骨吸収マーカーと同じ日内変動が確認され、早朝尿が適していることが示された。また食事の影響はとくに受けないと考えられた。
結論
1.uGGTのカットオフ値を50.9としたことで、要精査区分が10%以上減少した。その結果、擬陽性の例数が減る可能性がある。
2.費用対効果の評価から、uGGT検査はBMD測定に比べ5倍の費用対効果がある。
2.費用対効果の評価から、uGGT検査はBMD測定に比べ5倍の費用対効果がある。
公開日・更新日
公開日
2012-07-20
更新日
-