文献情報
文献番号
201115006A
報告書区分
総括
研究課題名
運動器の不安定性に関与する姿勢と中枢制御機能に着目した転倒予防ガイドライン策定研究
課題番号
H21-長寿・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鳥羽 研二(独立行政法人 国立長寿医療研究センター 病院)
研究分担者(所属機関)
- 丸山 直記(東京都健康長寿医療センター老人総合研究所)
- 松林 公蔵(京都大学東南アジア研究所)
- 西永 正典(東京大学高齢社会総合研究機構)
- 宮野 伊知郎(高知大学医学部)
- 小川 純人(東京大学医学部附属病院加齢医学講座)
- 神崎 恒一(杏林大学医学部高齢医学)
- 大河内 二郎(介護老人保健施設竜間之郷)
- 山田 思鶴(医療法人ゆりかご)
- 金 憲経(東京都健康長寿医療センター老人保健研究所)
- 櫻井 孝(国立長寿医療研究センター)
- 海老原 覚(東北大学大学院医学系研究科)
- 鈴木 裕介(名古屋大学大学院医学系研究科)
- 細井 孝之(国立長寿医療研究センター)
- 荒木 厚(東京都健康長寿医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
18,016,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
骨折予防効果のある骨粗鬆症薬が登場して久しいが、依然として大腿骨頚部骨折は増加している。骨折の原因の86%を占める転倒予防対策が不十分であることは明らかである。本研究の目的は、転倒数を減少させる有効な方法を確立し、ガイドラインを策定することにある。
研究方法
1)転倒予防手帳の作成と配付・転倒予防効果の検証
23000名に配布、転倒予防手帳最終ページに印刷された、転倒記録の回収を行い、手帳による啓発効果を測定する。
2) 姿勢と転倒;メカニズムの解明、
足関節挙状角、足背屈筋力、立位膝関節角、脊椎後弯角を測定し、歩行機能、バランス、Up&Go Test 、Functioanl Reach、Tandem gait、重心動揺、転倒スコア、転倒歴との関連を明らかにする(転倒予防外来)
3)脳と転倒;メカニズムの解明
白質循環障害をMRIで定量化測定し、転倒の関連を確認する
4)転倒とQOLを複数の自治体で500名以上で検証する
5)運動効果、栄養分析、薬物介入を複数の研究者で行う
23000名に配布、転倒予防手帳最終ページに印刷された、転倒記録の回収を行い、手帳による啓発効果を測定する。
2) 姿勢と転倒;メカニズムの解明、
足関節挙状角、足背屈筋力、立位膝関節角、脊椎後弯角を測定し、歩行機能、バランス、Up&Go Test 、Functioanl Reach、Tandem gait、重心動揺、転倒スコア、転倒歴との関連を明らかにする(転倒予防外来)
3)脳と転倒;メカニズムの解明
白質循環障害をMRIで定量化測定し、転倒の関連を確認する
4)転倒とQOLを複数の自治体で500名以上で検証する
5)運動効果、栄養分析、薬物介入を複数の研究者で行う
結果と考察
1.転倒予防手帳の作成、配布、啓発効果
22930名に配付。 回収集は3600(15%)であった。啓発効果として、転倒回数は一人あたり平均0.62回が、0.45回と有為に減少した(p=0.0025)。
2.転倒危険者を容易に察知する機器(Dorsiflex meter)を開発した。
3.転倒調査は、虚弱の調査(特定高齢者調査)にほかならないことを示した。
易転倒群はそうでない群に比して、すべてのADL項目、うつ尺度、主観的QOL項目の有意な低下を認めた。
4.実用性のある施設転倒危険評価表を完成した
入院した患者652名(平均年齢59歳)を追跡、16名の転倒から、67項目中転倒と関連した項目を抽出。ROC解析により、22項目ではカットオフ値を8.5とすると、感度79%、特異度74%の評価表を開発した。
5.運動介入不参加者の特性、運動介入に適切な対象などを明らかにした。
6.中枢性虚弱症候群の概念を提唱した。
皮質下虚血病変の程度と転倒率の密接な相関を示し、これらの病変は、転倒危険度の測定とも相関することを示した。
7.栄養や低血糖、血圧など生活習慣と転倒の関連を明らかにした。
8.以上を網羅し、内外の文献成績を含め転倒予防ガイドラインを発刊(24年6月)
22930名に配付。 回収集は3600(15%)であった。啓発効果として、転倒回数は一人あたり平均0.62回が、0.45回と有為に減少した(p=0.0025)。
2.転倒危険者を容易に察知する機器(Dorsiflex meter)を開発した。
3.転倒調査は、虚弱の調査(特定高齢者調査)にほかならないことを示した。
易転倒群はそうでない群に比して、すべてのADL項目、うつ尺度、主観的QOL項目の有意な低下を認めた。
4.実用性のある施設転倒危険評価表を完成した
入院した患者652名(平均年齢59歳)を追跡、16名の転倒から、67項目中転倒と関連した項目を抽出。ROC解析により、22項目ではカットオフ値を8.5とすると、感度79%、特異度74%の評価表を開発した。
5.運動介入不参加者の特性、運動介入に適切な対象などを明らかにした。
6.中枢性虚弱症候群の概念を提唱した。
皮質下虚血病変の程度と転倒率の密接な相関を示し、これらの病変は、転倒危険度の測定とも相関することを示した。
7.栄養や低血糖、血圧など生活習慣と転倒の関連を明らかにした。
8.以上を網羅し、内外の文献成績を含め転倒予防ガイドラインを発刊(24年6月)
結論
現在利用できる最も有効な知識を集学的に網羅した転倒予防ガイドラインを完成した
公開日・更新日
公開日
2012-07-20
更新日
-