文献情報
文献番号
201114022A
報告書区分
総括
研究課題名
モルフォリノを用いたDuchenne型筋ジストロフィーに対するエクソン51スキップ治療の臨床応用
課題番号
H21-臨床研究・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
武田 伸一(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部)
研究分担者(所属機関)
- 岡田 尚巳(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 )
- 永田 哲也(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部 )
- 大澤 真木子(東京女子医科大学)
- 木村 重美(熊本大学大学院生命科学研究部)
- 中林 哲夫(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター)
- 村田 美穂(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院 神経内科診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
51,967,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
Duchenne 型筋ジストロフィー(DMD)に対するエクソン51スキップの臨床応用に向けて、これまでモデルマウスを用いた検討を行なってきたが、今年度はモルフォリノの最適な投与時期を明らかにするための検討を行う。また昨年度に引き続き、治験実施に向けた国内の対象患者数、及び海外での治験の実施状況を把握するとともに、臨床評価系の確立に向けた取組と製薬企業との連携を通じて、治験の実施に求められる体制整備を進める。
研究方法
おもに以下の3つについて検討を行った。i) エクソン51スキップのモデル動物であるmdx52マウスを用いた投与時期に関する検討、ii) 米国の臨床研究グループCINRG(Cooperative International Neuromuscular Research Group)と連携した臨床評価系の導入、iii) 文献調査及びデータベースに基づく国内の対象DMD患者数の検討、並びに海外での治験の実施状況の把握
結果と考察
mdx52マウスによる検討では、4-5週齢で投与した場合にジスロトフィンの発現が最大となり、患者の場合は5-10歳での治療開始が最も有効であることが示唆された。またCINRGとの共同研究により、国際標準となる評価系の導入と評価者の訓練が完了し、将来の国際共同治験での活用が期待される。海外での治験の実施状況調査によれば、これまでに18の臨床試験が確認されており、多くが国際共同治験として実施されていた。
結論
モデルマウスでの検討よりエクソン・スキップ治療の至適開始時期を明らかにするとともに、海外の臨床研究グループ(CINRG)との連携により標準的な臨床評価が実施可能な体制を整備した。以上の取組を踏まえ、また海外での治験の進展を受けて、国内では2'-O-MePSによるエクソン51スキップの治験が開始されており、今後も本治療の適応拡大、及びモルフォリノによる治験開始に向けた取組を継続していく必要がある。
公開日・更新日
公開日
2012-06-29
更新日
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