バイオイメージング画像による抗体医薬と低分子化合物分子標的薬剤のex vivo評価システムの開発:末梢血CTC,CEC,CEPおよび検査または手術新鮮検体を用いて

文献情報

文献番号
201114012A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオイメージング画像による抗体医薬と低分子化合物分子標的薬剤のex vivo評価システムの開発:末梢血CTC,CEC,CEPおよび検査または手術新鮮検体を用いて
課題番号
H21-トランス・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
畠 清彦(公益財団法人がん研究会 有明病院 化学療法科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 俊二(公益財団法人がん研究会 有明病院 化学療法科 )
  • 照井 康仁(公益財団法人がん研究会 有明病院 血液腫瘍科 )
  • 湯浅 健(公益財団法人がん研究会 有明病院 泌尿器科 )
  • 松阪 諭(公益財団法人がん研究会 有明病院 消化器センター消化器内科)
  • 三嶋 雄二(公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター臨床部)
  • 石川 雄一(公益財団法人がん研究会 がん研究所病理部)
  • 竹内 賢吾(公益財団法人がん研究会 がん研究所病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
37,645,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床試験は新規薬剤早期実現のためのCritical pointである。動物実験によるpreclinical dataから臨床に行くために臨床検体を用いたex vivo研究は重要となる。種々のまれな標的分子に対する分子疫学調査の基盤を整備することにより標的分子の評価系・頻度を評価する。
研究方法
バイオマーカー測定として生検・CTC・末梢血球等を用いた遺伝子変異、蛋白質発現等の解析、ex vivoでの薬剤応答性評価を目標とし、薬剤の効果や抗体医薬の評価系を確立した。分子疫学調査では、標的の発現頻度、生検・保存検体を用いた免疫組織染色、癌関連変異の頻度、生検由来DNAシークエンス・FISH解析。FISHは1個の末梢循環幹細胞で解析。標的分子は、ALK (anaplastic large cell lymphoma kinase), pALK, pSTAT5, pERK, pAKT,膵臓癌では Smad4, RAF/MEK,肺癌、大腸癌、胃癌、乳癌、血液癌におけるFGFR, pFGFR, FGFR1,2 & 3, 膵臓癌・乳癌・肺癌・胃癌・骨髄腫におけるAxlを検討。当院アーカイブ2例の従来免疫染色法によるALK陰性IMTを高感度法,intercalated antibody-enhanced polymer (iAEP) 法で再検討.凍結保存検体を用いた5’-RACE法にて新規ALK融合遺伝子の同定を試みた。
(1) 抗体医薬では、ADCC感受性の評価を実施。同検体のCDC感受性および治療効果との相関を解析。
(2) 大腸癌、胃癌、骨髄腫の検体は、腫瘍細胞がん幹細胞マーカー、spheroid培養に供し、長期維持と評価(spheroid bank)の構築を目指した。
結果と考察
現在2社と共同研究中、ALK肺癌の第1相試験で、奏効例が得られた。STAT5阻害剤は第1相試験が開始され、具体的な成果が出た。ADCC,CDC評価系では、抗体産生株から適切な株を選択した。
結論
まれな標的分子の分子疫学的研究を行い評価のための方法論も評価した。システムが開発され、本成果はALK阻害剤の本格的実用化に向け,ALK陽性腫瘍の革新的な同定法・同定理論を提示した。取得した個々の解析データは、検体の臨床情報と照会することで多くの臨床上有用な知見を提供する。現在まで取得したデータをもって、他分担研究者の所有する臨床情報との解析に供される。

公開日・更新日

公開日
2012-06-29
更新日
-

文献情報

文献番号
201114012B
報告書区分
総合
研究課題名
バイオイメージング画像による抗体医薬と低分子化合物分子標的薬剤のex vivo評価システムの開発:末梢血CTC,CEC,CEPおよび検査または手術新鮮検体を用いて
課題番号
H21-トランス・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
畠 清彦(公益財団法人がん研究会 有明病院 化学療法科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 俊二(公益財団法人がん研究会 有明病院 化学療法科 )
  • 照井 康仁(公益財団法人がん研究会 有明病院 血液腫瘍科 )
  • 湯浅 健(公益財団法人がん研究会 有明病院 泌尿器科 )
  • 松阪 諭(公益財団法人がん研究会 有明病院 消化器センター消化器内科)
  • 三嶋 雄二(公益財団法人がん研究会 がん化学療法センター臨床部)
  • 石川 雄一(公益財団法人がん研究会 がん研究会病理部)
  • 竹内 賢吾(公益財団法人がん研究会 がん研究会病理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療技術実用化総合研究(臨床研究推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臨床試験は新規薬剤早期実現のためのCritical pointである。動物実験によるpreclinical dataから臨床に行くために臨床検体を用いたex vivo研究は重要となる。種々のまれな標的分子に対する分子疫学調査の基盤を整備することにより標的分子の評価系・頻度を評価した。
研究方法
バイオマーカー測定では生検・CTC・末梢血球等を用いた遺伝子変異、蛋白質発現等の解析、ex vivoでの薬剤応答性評価し、薬剤の効果や抗体医薬の評価系を確立。分子疫学調査で、標的の発現頻度、生検・保存検体での免疫組織染色、癌関連変異頻度、DNAシークエンス・FISH解析。FISHは1個の末梢循環幹細胞で解析。標的分子は、ALK (anaplastic large cell lymphoma kinase), pALK, pSTAT5, pERK, pAKT,膵臓癌では Smad4, RAF/MEK,肺癌、大腸癌、胃癌、乳癌、血液癌におけるFGFR, pFGFR, FGFR1,2 & 3, 膵臓癌・乳癌・肺癌・胃癌・骨髄腫におけるAxlを検討。当院アーカイブ2例の従来免疫染色法によるALK陰性IMTを高感度法,intercalated antibody-enhanced polymer (iAEP) 法で再検討.凍結保存検体を用いた5’-RACE法にて新規ALK融合遺伝子の同定を試みた。
(1) 抗体医薬では、ADCC感受性の評価を実施。同検体のCDC感受性および治療効果との相関を解析。
(2) 大腸癌、胃癌、骨髄腫の検体は、腫瘍細胞がん幹細胞マーカー、spheroid培養に供し、長期維持と評価(spheroid bank)の構築を目指す。
結果と考察
現在2社と共同研究中、ALK肺癌の第1相試験で、奏効例。STAT5阻害剤は第1相試験が開始された。ADCC,CDC評価系では、抗体産生株から適切な株を選択した。抗体によるキットを開発した。特許申請中。さらに1社共同研究希望がある。
結論
まれな標的分子の分子疫学的研究を行い、評価のための方法論も評価した。システムが開発され、本成果はALK阻害剤の実用化に向け,ALK陽性腫瘍の革新的な同定法・同定理論を提示した.個々の解析データは、検体の臨床情報と照会することで多くの臨床上有用な知見を提供する。現在まで取得したデータをもって、他分担研究者の所有する臨床情報との解析に供される。STAT阻害剤も続いて試験中である。

公開日・更新日

公開日
2012-06-29
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-03-06
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201114012C

成果

専門的・学術的観点からの成果
新たな分子標的を発見したり薬剤のシーズを見つけても、実際の患者でどのくらい発現し重要であるかがわからないと継続し進行できない。研究では臨床検体と臨床データをひもつけてすることを目的とした。同意取得した患者サンプルから分子疫学的調査研究を行えるシステムを構築することにより共同研究できるプラットフォームを作った。ALKやSTATなどの発現を患者からスクリーニングをおこない無事に治験に登録され改善をした例が出ている。このロードマップを示した例から他の標的についても進行を促進した。
臨床的観点からの成果
ALKでは非小細胞性肺癌のEML4-ALK融合遺伝子陽性例だけでなく、腎臓癌は当院から報告された。他に炎症性乳癌、直腸癌、卵巣肉腫と報告が続いている。免疫組織染色IHCが従来のFISHに比較して優れており、検査方法のひとつとして承認された。またcrizotinibだけでなく、中外の化合物、Novartis, ARIADからの新規化合物の治験が行われており今後続いて行く。Alectinibの開発に寄与した。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
朝日新聞 2011年5月9日 朝刊 科学欄

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
1件
January 31, 2012. France ICACT(招待講演)
その他成果(特許の出願)
4件
「出願」「取得」計4件
その他成果(特許の取得)
4件
出願:CTCの3次元FISH・3件、CD20N末抗体・1件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kodama T et al.
A novel mechanism of EML4-ALK rearrangement mediated by chromothripsis in a patient-derived cell line.
J Thorac Oncol. , 9 (11) , 1638-1646.  (2014)
doi: 10.1097/JTO.0000000000000311.
原著論文2
Matsusaka S et al.
A novel detection strategy for living circulating tumor cells using 5-aminolevulinic acid.
Cancer Lett. , 355 (1) , 113-120  (2014)
doi: 10.1016/j.canlet.2014.09.009. Epub 2014 Sep 11.

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
2017-06-20

収支報告書

文献番号
201114012Z