循環器系DRYラボセンターを駆使した治療リスクの低減システム構築と人材育成

文献情報

文献番号
201111026A
報告書区分
総括
研究課題名
循環器系DRYラボセンターを駆使した治療リスクの低減システム構築と人材育成
課題番号
H23-医療機器・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梅津 光生(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎清隆(早稲田大学 高等研究所)
  • 八木高伸(早稲田大学 理工学研究所)
  • 坂口勝久(早稲田大学 理工学術院 )
  • 朴栄光(早稲田大学 理工学術院 )
  • 高西淳夫(早稲田大学 理工学術院 )
  • 加瀬川均(早稲田大学 生命医療工学研究所)
  • 山崎健二(東京女子医科大学)
  • 村垣善浩(東京女子医科大学)
  • 笠貫宏(早稲田大学 理工学術院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東京女子医大・早稲田大学連携施設(TWIns:ツインズ)の循環器系DRYラボセンターにおいて,Another EBM,すなわちEngineering Based Medicineを駆使して1)手術訓練による技能研修の普及と技量の安定・高度化法の確立,および,2)実臨床に即した非臨床評価による治療機器の適正使用法の確立,を目的とする.
研究方法
1.手術手技を工学的に数値で評価することで,訓練による技能向上をスコア化し,熟練者との隔たりを定量的に把握することができる.大学発ベンチャーおよび関連学会とともに技能研修の普及に努め,多人数教育・訓練の環境を構築する.2.医療機器・医療行為の有効性・安全性に関する科学的根拠の構築法に関して,実臨床の病変,部位,使用法に即した工学ベースの非臨床試験により,生物統計に置き換わる方法論を提案する.臨床医学に基づく実験環境を医工学的にシミュレータ上で再現し,新規医療デバイスの臨床導入の際の効果と限界,あるいは,既承認品の適応外使用に対するリスクとベネフィットのバランスの明確化などに力を発揮することになる.
結果と考察
1.手術訓練の普及に伴い血管吻合を迅速評価する方法論を構築した.ここでは,縫合血管の内腔形状をマイクロCTで構築し,数値流体解析(CFD)による評価法を検討した.結果,エネルギー損失により吻合の良否を判別できることが示された.今後は,評価に要する時間を定量し,現場ニーズに合致した評価法・環境を構築していく.2. 補助人工心臓装着患者の管理基準の確保に向けた心臓循環シミュレータを確立した.人工心臓使用時の体循環の血行動態の変化を模擬できるシステムを開発した.これにより,重症心不全状態および補助人工心臓装着時の循環動態を再現できることが分かった.これにより,時々刻々変化する患者の血行動態を再現し,それぞれの時点で最も血行動態が全体として良好と思われるポンプの適正駆動回転数の決定を行った.これにより,患者の状態を常に最適に維持することができている.
結論
本課題は循環系を対象とし,医療機器そのものではなく,医療行為の安全性を高めることで医療の質を高めるものである.当該年度の目的を十二分に達成した.

公開日・更新日

公開日
2012-08-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-18
更新日
-

収支報告書

文献番号
201111026Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
52,000,000円
(2)補助金確定額
52,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 37,874,532円
人件費・謝金 11,111円
旅費 566,490円
その他 1,547,867円
間接経費 12,000,000円
合計 52,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-06-16
更新日
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