メラノジェネシス標的NPrCAP・ナノ微粒子による次世代型メラノーマ化学温熱免疫(CTI)治療法の開発

文献情報

文献番号
201111008A
報告書区分
総括
研究課題名
メラノジェネシス標的NPrCAP・ナノ微粒子による次世代型メラノーマ化学温熱免疫(CTI)治療法の開発
課題番号
H21-ナノ・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
神保 孝一(札幌医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 本多 裕之(名古屋大学大学院 工学研究科)
  • 伊藤 祥輔(藤田保健衛生大学 医療科学部)
  • 若松 一雅(藤田保健衛生大学 医療科学部)
  • 中山 睿一(川崎医療福祉大学 医療福祉学部)
  • 山下 利春(札幌医科大学 医学部)
  • 井藤  彰(九州大学大学院 工学研究院)
  • 田村 保明(札幌医科大学 医学部)
  • 米田 明弘(札幌医科大学 医学部)
  • 野原 聡(名糖産業(株) 名古屋研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
45,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
分子標的・免疫作用機序の解明による継続的維持療法を開発し、GMP製剤を生産し、更に産から新たに製薬会社が研究協力者として加わり、全国レベルでの臨床試験に向けた治療プロトコールを完成させる。
研究方法
1. 次世代型CTI療法薬剤の開発と抗腫瘍効果・安全性
1)新規CTI治療薬剤の合成と新規製剤のGMP化開発
2)GMP水準の製剤合成設備確立
3)新規CTI治療薬剤の抗腫瘍効果・免疫賦活継続維持と磁場発生機器の改良
2. CTIで誘導される腫瘍分子標的と免疫作用機序の解析
1) 抗原ペプチド添加によるCTI療法効果増強
2) 深部メラノーマに対するNPrCAP-SHの癌免疫賦活への有用性の検討
3)CTI療法にて誘導される特異免疫反応を用いた低侵襲性継続療法の確立
4)NPr-4S-CAP Dextran複合体の自然免疫賦活効果を実証
結果と考察
1.GMP製剤開発と薬剤安定性・選択的抗腫瘍効果の検討
本薬剤の安定性・抗腫瘍効果の解明と毒性実験の一部を終了させた。又全国レベルで行うに必要なGMP製剤合成方法の基礎的データを得ることが出来た。
2.分子標的・免疫作用機序に基づく解明による継続的維持療法の開発
CTI治療後のメラノーマ再移植拒絶反応に焦点をあて、抗腫瘍効果の機序として腫瘍抗原の解析、腫瘍浸潤リンパ球の解析、肺転移等の深部メラノーマに対するNPrCAP-SHの癌免疫賦活への有用性の検討を行い次世代型CTI療法の臨床プロトコールを確立するための基礎的データが得られた。
3.CTI療法の低侵襲性磁場発生装置の開発
今後の国内多施設および世界進出も考慮に入れて、今年度は「産」における新たな連携として、山本ビニター株式会社が分担研究者として加わった。今後は本プロジェクトで開発した製剤のサーモトロン-RF8での発熱挙動について調べ、低侵襲性医療機器開発を行う。
結論
我々はメラノーマに特異な形質であるメラノジェネシスを分子標的とした薬剤および新規ナノ微粒子結合体を用いた次世代型低侵襲性化学・温熱・免疫CTI療法の開発を行ってきている。CTI療法そのものの意義に関しては、メラノーマ腫瘍内投与に基づくCTI療法の予備的臨床試験を開始し、CTI療法の理念の有用性を確認したが、全身投与が可能な高拡散性新規薬剤、継続的維持免疫療法と治療機器の更なる開発が必要とされた。H23年度は本プロトタイプ薬剤をもちいた低侵襲性治療機器開発のために新たに産から医療機器メーカーが分担研究者として加わり、分子標的・免疫作用機序の解明による継続的維持療法を開発し、GMP製剤生産の基礎実験を開始することが出来た。

公開日・更新日

公開日
2012-10-31
更新日
-

文献情報

文献番号
201111008B
報告書区分
総合
研究課題名
メラノジェネシス標的NPrCAP・ナノ微粒子による次世代型メラノーマ化学温熱免疫(CTI)治療法の開発
課題番号
H21-ナノ・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
神保 孝一(札幌医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 本多 裕之(名古屋大学大学院 工学研究科)
  • 伊藤 祥輔(藤田保健衛生大学 医療科学部)
  • 若松 一雅(藤田保健衛生大学 医療科学部)
  • 中山 睿一(川崎医療福祉大学 医療福祉学部)
  • 山下 利春(札幌医科大学 医学部)
  • 井藤 彰(九州大学大学院 工学研究院)
  • 田村 保明(札幌医科大学 医学部)
  • 米田 明弘(札幌医科大学 医学部)
  • 野原 聡(名糖産業(株) 名古屋研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(医療機器[ナノテクノロジー等]総合推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医・工・化学の連携に加え、産から原薬と医療機器開発メーカーが加わり、メラノーマに特異な形質であるメラノジェネシスを分子標的としたDDSとしての役割と化学療法剤効果をもつ薬剤、NPrCAPと結合した新規ナノ微粒子製剤 (NPrCAP/PEG/DNM)を用い温熱療法を行い、生体内がんペプチド産生によるメラノーマ標的化学・温熱・免疫(CTI)療法を開発する。
研究方法
1. GMP製剤開発と薬剤安定性・安全性及び選択的化学的抗腫瘍効果の検討
2. 分子標的・腫瘍免疫作用機序の解明に基づくCTI療法の効果増強の解析
3. 新規加温装置を用いたCTI療法の開発
結果と考察
1.GMP製剤開発と薬剤安定性・選択的化学的免疫学的抗腫瘍効果の検討
新規開発されたプロトタイプCTI治療製剤をこれから開発される新規低侵襲性温熱装置に有効・安全に作用するGMP製剤として確立するために更なる改善を図った。
2.分子標的・免疫作用機序に基づく解明による継続的免疫維持療法の検討
CTI療法による腫瘍内浸潤リンパ球の質的・量的変化を確認し、腫瘍免疫効果の高いペプチドの探索・同定と磁性微粒子製剤への吸着固定法の開発に成功し、その効果をブーストするための継続的免疫維持療法の開発に応用した。
3.CTI療法の低侵襲性磁場発生装置の開発
国内で唯一健康保険適用を受け、癌治療の最前線に導入されている誘電型加温装置を改良した、新規低侵襲性加温医療機器の開発に着手した。
結論
CTI療法の理念の有用性を確認し、更にプロトタイプ製剤の開発に成功した。すでに保険診療に用いられている癌温熱療法に広く用いられているサーモトロン発生装置を改良した低侵襲性温熱治療機器の開発のための予備的実験を開始した。今後この新規開発機器を用いて癌細胞に特異的に取り込まれるプロトタイプDDSナノ磁性粒子製剤を適正化し、化学・温熱療法を行うことにより、患者自身の生体内に腫瘍特異抗原・ペプチドを産生させ、腫瘍特異的細胞傷害性T細胞 の誘導を活性化させ、遠隔転移腫瘍の撲滅を図る能動的“生体内産生がんペプチド免疫療法”を行う事により次世代型の低侵襲性化学・温熱・免疫療法「CTI療法」を確立する。

公開日・更新日

公開日
2012-08-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201111008C

収支報告書

文献番号
201111008Z