疾患研究のための細胞コレクションの資源化ならびに品質評価法・特性解析法開発に関する研究

文献情報

文献番号
201110021A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患研究のための細胞コレクションの資源化ならびに品質評価法・特性解析法開発に関する研究
課題番号
H22-創薬総合・指定-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小原 有弘(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 則夫(東京医科歯科大学 難治疾患研究所)
  • 原澤 亮(岩手大学 農学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
35,090,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
創薬研究、疾患研究など様々な生命科学研究において培養細胞は欠くことのできない研究ツールとなっている。研究者が安心して利用できる高品質な細胞資源の拡充・供給体制整備は重要な課題である。基盤研・培養資源研究室はその特徴(世界に誇る高品質細胞の供給,保有資源数3500種以上)を生かして、高品質な細胞資源の拡充・供給体制整備を実現するため研究を実施した。
研究方法
本研究では、1.疾患研究のための細胞コレクションの資源化 2.汚染の無い高品質細胞資源供給基盤の構築 3.品質評価法・特性解析法開発による細胞情報付加のため、高発がん性遺伝病患者由来細胞株の資源化、ウイルス検査法開発、ゲノム詳細解析、miRNAプロファイル法開発等を行った。
結果と考察
<疾患研究のための細胞コレクションの資源化>網膜芽細胞種、コカイン症候群、毛細血管拡張性運動失調症を中心とした遺伝性疾患患者由来細胞の資源化を実施し、研究者にとって有用な細胞の供給体制整備を行った。<汚染の無い高品質細胞資源供給基盤の構築>細胞資源のウイルス検査を継続実施し、679検体を検査し、56検体(53細胞)でウイルス検査陽性の結果を得ることが出来、細胞資源のウイルス汚染の現状を把握することができた。また世界の細胞バンクとの連携により細胞のクロスコンタミネーションに関するガイドラインを策定した。<品質評価法・特性解析法開発による細胞情報付加>細胞のキャラクタライズ情報として細胞の染色体情報の付加、アレイCGH解析情報付加ならびに生物資源のプロファイル法としてmiRNAの集団構成分析による種・系統の識別法の開発を行った。これらの特性解析情報が研究者の研究に役立てられることが期待できる。
結論
本研究で実施した細胞の資源化ならびに品質高度化は、厚生労働行政に直結する創薬疾患研究の基盤を構築するものにほかならない。これらの研究基盤を整備することにより、国際研究社会における研究の信頼性・再現性が担保され、細胞資源を利用した研究による新薬開発・治療法開発の早期実現が可能となる。また、研究の信頼性・再現性を担保することは、研究に要する労力・費用を削減することにつながり、行政的にも重要な意義を持つと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2012-07-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201110021Z