次世代インテリジェント型ナノカプセルによる診断・治療システム

文献情報

文献番号
201109010A
報告書区分
総括
研究課題名
次世代インテリジェント型ナノカプセルによる診断・治療システム
課題番号
H23-政策探索・一般-010
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
橋爪 誠(九州大学 先端医療イノベーションセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 村田 正治(九州大学 先端融合医療レドックスナビ研究拠点)
  • 片山 佳樹(九州大学 大学院工学研究院)
  • 富川 盛雅(九州大学 先端医療イノベーションセンター)
  • 大内田 研宙(九州大学 大学院医学研究院)
  • 井原 敏博(熊本大学 大学院自然科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬探索研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成27(2015)年度
研究費
28,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我々はウイルスカプシドを模したタンパク質ナノカプセルを構築し、薬物送達システム(DDS)や分子イメージング材料としての応用を目指している。本年度は実施計画書にしたがって、①ナノカプセルの標的化、②ナノカプセルへの抗癌剤の内包条件の検討、さらに③ナノカプセル型MRI造影剤の開発、の三つのテーマに重点をおいて研究を実施した。
研究方法
 タンパク質ナノカプセルの遺伝子クローニングと大腸菌を使って大量発現・精製した。この直径12nmのナノ構造体は非常に安定であり、しかもその内側に様々の薬物を内包することが可能である。本年度はこのナノカプセルを分子生物学あるいは有機合成化学を用いて様々に機能化した。
結果と考察
 我々の用いたナノカプセルは6.5nmの内孔を有し、ここに様々な薬剤を封入することができる。特に、内孔側にシステイン残基を変異導入することで、マレイミド基とのマイケル付加反応を利用した特異的な薬物の固定化ができることが分かった。そこでこのナノカプセルに内包する様々な薬剤を合成した結果、抗癌剤や蛍光プローブを固定化することが可能であった。
 
結論
 本年度は特定の細胞に対して特異性を有するナノカプセルの設計・合成を行った。これらのナノカプセルはカプセル本来の構造と機能を損なうこと無く、標的化という新しい機能を付与することに成功した。

公開日・更新日

公開日
2013-11-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201109010Z