文献情報
文献番号
201108003A
報告書区分
総括
研究課題名
人工ガンマグロブリンの製剤化への安全性と臨床試験にむけた評価系の確立
課題番号
H21-政策創薬・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 和男(千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
- 大野 尚仁(東京薬科大学 薬学部)
- 高橋 啓(東邦大学 医療センター大橋病院病理学)
- 荒谷 康昭(横浜市立大学 大学院)
- 亀岡 洋祐(独)医薬基盤研究所 遺伝子資源)
- 宇野賀津子((財)ルイ・パストゥール医学研究センター 免疫)
- 野島 博(大阪大学 微生物病研究所)
- 平橋 淳一(東京大学 医学部附属病院腎臓内分泌内科)
- 武曾 惠理(財)田附興風会医学研究所北野病院 腎臓内科)
- 佐地 勉(東邦大学 医療センター大森病院小児医療センター)
- 小林 茂人(順天堂大学 附属順天堂越谷病院内科)
- 今井 圓裕(名古屋大学 大学院・腎臓内科学)
- 湯村 和子(自治医科大学 地域医療学センター・腎臓内科学)
- 山縣 邦弘(筑波大学 大学院人間総合科学研究科病体制御分野・腎臓病態医学)
- 有村 義宏(杏林大学 医学部第一内科)
- 藤元 昭一(宮崎大学 医学部内科学)
- 布井 博幸(宮崎大学 医学部生殖発達医学講座小児科学分野)
- 河内 正治(国立国際医療研究センター 手術部)
- 塙 晴雄(新潟大学 教育研究院医歯学系)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
11,404,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
大量免疫グロブリン製剤(IVIG)治療法は、重症感染症や川崎病治療として使用され、高齢者に発症し増加している自己免疫疾患に、免疫補助療法としてその適応拡大が検討されはじめている。Churg-Strauss症候群(CSS)への適応拡大が認可され、需要の増加に加え、血液製剤の安全性や医療経済の点からも、人工化することが今日的急務となっている。本研究では、免疫グロブリンのヒト型人工化を目的とした。
研究方法
VH-CH1-hinge組み換えタンパクを精製した。サイトカインはBio-Plexとバイオアッセイ法にて測定し、pDCはFACSにて同定した。CAWS誘導血管炎モデルマウスにより評価した。
MPA症例およびCSS症候群へのIVIG療法による病態解析を行った。国際比較解析:宮崎地区では新規発症症例の全例調査は、MPA、肉芽腫性多発血管炎(GPA)、CSSの3症候群。急性期川崎病の不応答例。各施設の倫理委員会と動物委員会の承認を得て実施した。
各施設の倫理委員会と動物委員会の承認を得て実施した。
MPA症例およびCSS症候群へのIVIG療法による病態解析を行った。国際比較解析:宮崎地区では新規発症症例の全例調査は、MPA、肉芽腫性多発血管炎(GPA)、CSSの3症候群。急性期川崎病の不応答例。各施設の倫理委員会と動物委員会の承認を得て実施した。
各施設の倫理委員会と動物委員会の承認を得て実施した。
結果と考察
【基礎分科会】アルカリグアニジン溶液処理とETクリーンでエンドトキシンを21U/mgとなった。CAWS血管炎モデルマウスにhScFv4.5mg/kg投与し、汎血管炎発生頻度、炎症範囲、炎症程度は抑制傾向を示した。
【臨床分科会】IVIG施行で、ステロイド増量なく改善した。急性期川崎病のIVIG治療後で、Resistin は低下した。AAV頻度は宮崎とNorfolkで大差はなく、宮崎vsNorfolkで、MPA 18.2 vs. 6.5、GPA 2.1 vs. 14.3、CSS 2.4 vs. 0.9で、65歳以上では2?3倍高い頻度であった。
【考察】人工ガンマグロブリン中のエンドトキシン混入を下げられ製剤化へ近づいた。IVIG治療は、血管炎治療の選択肢となり既存治療抵抗性症やステロイド減量が必要な症例に有効。宮崎での疫学調査で、GPAが腎症を呈する症例比率がNorfolk地区に比べて低かった。
【臨床分科会】IVIG施行で、ステロイド増量なく改善した。急性期川崎病のIVIG治療後で、Resistin は低下した。AAV頻度は宮崎とNorfolkで大差はなく、宮崎vsNorfolkで、MPA 18.2 vs. 6.5、GPA 2.1 vs. 14.3、CSS 2.4 vs. 0.9で、65歳以上では2?3倍高い頻度であった。
【考察】人工ガンマグロブリン中のエンドトキシン混入を下げられ製剤化へ近づいた。IVIG治療は、血管炎治療の選択肢となり既存治療抵抗性症やステロイド減量が必要な症例に有効。宮崎での疫学調査で、GPAが腎症を呈する症例比率がNorfolk地区に比べて低かった。
結論
エンドトキシンが21U/mgとなり、血管炎モデル動物有効性を示した。臨床ではIVIG治療は、ステロイド増量なく改善し、AAV国際疫学調査では、宮崎とNorfolkで頻度の差はなく、頻度は、各々MPA 18.2 vs. 6.5、GPA 2.1 vs. 14.3、CSS 2.4 vs. 0.9で、65歳以上では2-3倍高い頻度であった。急性期川崎病のIVIG治療では不応答の例示もあった。これらのことから、人工免疫グロブリンの製剤化へ近づいた。
公開日・更新日
公開日
2012-07-02
更新日
-