文献情報
文献番号
201104008A
報告書区分
総括
研究課題名
HIV感染症制圧のためワクチン及び薬剤開発に関する研究
課題番号
H23-国医・指定-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩本 愛吉(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 満屋 裕明(熊本大学 医学薬学研究部)
- 俣野 哲朗(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
- 横田 恭子(国立感染症研究所 免疫部)
- 高橋 秀実(日本医科大学 医学部)
- 田中 勇悦(琉球大学 大学院医学研究科)
- 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(国際医学協力研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
11,111,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
アジア随一の先進国として、世界の最先端を走る米国の研究者と密な情報交換を行い、エイズの予防や治療等に関するウイルス学、免疫学、臨床的研究を推進する。米国の研究者との協力を基盤に、ネットワークを通じてアジアの研究者を介して、感染症対策に貢献する。
研究方法
研究班員の専門性に従って、研究倫理面の配慮を遵守して研究を遂行する。平成23年度は、米国において日米医学協力エイズ部会の日米合同部会とシンポジウムを開催する。
結果と考察
個別研究においては、分担研究者がそれぞれワクチンや抗HIV薬開発のために役立つ基礎的な研究成果を挙げた。2011年9月米国アトランタのエモリー大学構内において、日本側部会長の岩本と米国側部会長のRuth Ruprechtハーバード大学教授を中心に、日米エイズ合同部会とシンポジウムを開催した。シンポジウムでは、1980年代初期に全米をパニックに陥れたエイズの疫学的研究において先駆的な業績をあげたJames Curranエモリー大学公衆衛生学部長と山本直樹教授(前エイズ部会代表)が基調講演を行い、全米各地から専門家が参加し、基礎、動物モデル、臨床、疫学、公衆衛生対策など広範囲な講演、情報交換が行われた。日本側からは、悪天候で急遽フライトがキャンセルされた一名を除く研究班員全員が参加した。エモリー大学でのシンポジウムは学生や若手研究者にも公開されており、アジアからの留学生を含むエモリー大学及び近隣のエイズ研究者のための人材育成にも貢献した。現在シンガポールで活躍する山本前エイズ部会長を交え、アジアにおけるHIV/AIDS問題も議論した。
結論
地球規模で見ると、アフリカが現在最も深刻なエイズ問題を抱えている。しかし、アジアにはすでにアフリカに次ぐ感染者数が存在し、アジアの巨大な人口を考えると、アジアにおけるエイズはゆゆしき課題である。アジアには深刻なエイズ問題を抱えながらも、経済発展しつつある国が多く、単なる支援・援助を越えて、アジアの国々における研究活性化にも大きな意義がある。その点日米医学協力は、今後とも大きく貢献できる可能性がある。平成22年度は、合同部会が米国で開催されたこともあり、アジア地域への還元が十分できなかった。しかし、現在シンガポールで活躍する山本前エイズ部会長をシンポジムに招き、アジアにおけるエイズ問題も議論した。
公開日・更新日
公開日
2012-06-06
更新日
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