文献情報
文献番号
201102004A
報告書区分
総括
研究課題名
ICD11におけるオミックス情報モデルの研究
課題番号
H22-統計・指定-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中谷 純(東京医科歯科大学 大学院疾患生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 田中 博(東京医科歯科大学 大学院生命情報科学教育部)
- 今井 健(東京大学 大学院医学系研究科 疾患生命工学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,504,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成22年度に行った検証作業を土台として、標準臨床医学情報モデルとの連携性、概念対応の違いなど、臨床オミックス情報モデルをICD11の中で実効させるために必要な情報を明らかにしつつ、臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)の作成を行う。
研究方法
臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)の作成
臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)の電子化を行った。電子化は、主にアルファバージョンをXML化することで達成する予定であったが、実際のXML作成にあたっては、ベクトル表現をするためのサブモジュールを導入するなど多くのアイデアと改造を必要とした。その際、XML Editorなどを用い作成を行ったが、必要に応じてProtegeやLexWikiというオントロジーツールの利用も行った。
ICD11コンテンツモデルとの整合性検証
整合性検証は、ベータモデルで定義される項目ごとの意味的整合性とオミックス情報記述性、GSVMLなどの標準モデルとの整合性の観点から行った。また、臨床オミックス情報モデル作成に必要な構成要素、他の標準臨床医学情報モデルとの連携性、概念対応の違いなど、臨床オミックス医学情報モデルをICD11の中で実効させるために必要な情報を明らかにした。
WHO-TAG-HIM会議への参加ならびに情報交換
随時ジュネーブで行われる会議に出席し、ICDのモデル化作業に関する情報収集と意見交換を行った。また、随時、WHO-FIC, 内科TAGなどへも参加し、情報交換を行った。
臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)の電子化を行った。電子化は、主にアルファバージョンをXML化することで達成する予定であったが、実際のXML作成にあたっては、ベクトル表現をするためのサブモジュールを導入するなど多くのアイデアと改造を必要とした。その際、XML Editorなどを用い作成を行ったが、必要に応じてProtegeやLexWikiというオントロジーツールの利用も行った。
ICD11コンテンツモデルとの整合性検証
整合性検証は、ベータモデルで定義される項目ごとの意味的整合性とオミックス情報記述性、GSVMLなどの標準モデルとの整合性の観点から行った。また、臨床オミックス情報モデル作成に必要な構成要素、他の標準臨床医学情報モデルとの連携性、概念対応の違いなど、臨床オミックス医学情報モデルをICD11の中で実効させるために必要な情報を明らかにした。
WHO-TAG-HIM会議への参加ならびに情報交換
随時ジュネーブで行われる会議に出席し、ICDのモデル化作業に関する情報収集と意見交換を行った。また、随時、WHO-FIC, 内科TAGなどへも参加し、情報交換を行った。
結果と考察
ICD11対応した臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)を作成した。本モデルでは代表的なオミックス構造を列挙した上で、other_omics_annotationでユーザーがオミックスの種類ごとにアノテーション定義を行うことができる。このother omics annotationは、ネスト(階層再帰呼び出し;入れ子)できるので、オミックス階層内だけでなくオミックス階層間にわたる情報も同時に記述することができる。このオミックス表現は、オミックス研究自体の発展に合わせて、その構造を変化させていく必要がある。
結論
今後は、本研究で作成した臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)を実データを用いて検証しつつ、現実化に向けた改善を行う必要がある。我々の持つ国内唯一の臨床オミックスデータベースである、iCOD (integrated Clinical Omics Database)のデータを用いて、臨床オミックス情報モデル(ベータモデル)を真の国際標準とすることができるように、今後とも努力したい。
公開日・更新日
公開日
2012-05-22
更新日
-