女性・母子の保護支援における婦人相談所の機能評価に関する研究

文献情報

文献番号
201101041A
報告書区分
総括
研究課題名
女性・母子の保護支援における婦人相談所の機能評価に関する研究
課題番号
H23-政策・一般-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
森川 美絵(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井孝子(国立保健医療科学院 統括研究官)
  • 福島富士子(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 阪東美智子(国立保健医療科学院 生活環境研究部)
  • 松繁卓哉(国立保健医療科学院 医療・福祉サービス研究部)
  • 山本恒雄(日本子ども家庭総合研究所 子ども家庭福祉研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
5,520,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、女性・母子の保護支援における婦人相談所の機能強化にむけて、婦人相談所の介入支援機能を評価することを目的に、全国的な業務実態および対象女性の状態(含・母子関係)と相談支援ルートに関するデータベースの作成、データに基づく介入支援機能の抽出と評価指標の作成を行なうことである。研究期間は3年間を予定し、1年目は、データベース作成の予備的作業としての概況把握、2年目は、データベース項目の設定と本格的なデータ収集、3年目は、介入機能の抽出と評価指標の検討を行なう。
研究方法
研究事業の1年次にあたる本年度は、以下の3つのテーマに取り組み、テーマごとにいくつかの調査分析を実施した。1.婦人相談所の運営概況と支援実践の内容・課題の把握(①行政調査の二次分析、②全国の婦人相談所から収集した困難事例n=68の分析)、2.婦人保護を媒介させた母子支援(機関連携含む)の実態把握・課題分析(①児童相談所と組織統合している全国の婦人相談所(23か所)へのヒアリング調査、②全国の母子生活支援施設入所世帯に対する悉皆調査のデータベースの分析)、3.保護支援のルートや連携・アセスメントのツールに関する欧米諸国の情報収集(イギリス、オランダ、フランス、アメリカ合衆国)。
結果と考察
調査結果からは、各地域の業務体制と実施方法のばらつき等、婦人相談所の機能強化にむけた多くの課題が明らかにされ、以下を視野に入れることの重要性が示唆された。それらは、加害者リスク評価や多機関評価も視野に入れた初期介入段階のアセスメントの強化、本人と子どもへのDVの影響と支援ニーズの理解に基づいた保護解除後の母子に対する継続的・長期的な支援体制づくり、知的障がいや精神疾患・妊婦や性暴力被害者等への対応スキルの強化、アセスメントやプランニングのツール開発や組織内外の情報共有体制の強化、業務の法的前提要件とこれまでの体制・職員配置の見直し等である。
結論
1年次の調査結果からは、現状の婦人保護事業・婦人相談所の実施体制、運営状況、対象者類型、支援内容の実態、今後の見直しにむけた多くの課題が明らかにされた。調査結果をふまえ、婦人保護事業の業務・機能の内容と実施状況、職員状況や対象者の状態像に関する、全国データベースの作成にむけた本格的な作業に着手する必要がある。これが次年度以降の課題である。

公開日・更新日

公開日
2012-11-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101041Z