外国人人口の受入れによる将来人口の変化と社会保障への影響に関する研究

文献情報

文献番号
201101037A
報告書区分
総括
研究課題名
外国人人口の受入れによる将来人口の変化と社会保障への影響に関する研究
課題番号
H23-政策・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石井 太(国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 重郷(国立社会保障・人口問題研究所 副所長)
  • 金子 隆一(国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部長)
  • 佐々井 司(国立社会保障・人口問題研究所 企画部)
  • 岩澤 美帆(国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部)
  • 守泉 理恵(国立社会保障・人口問題研究所 人口動向研究部)
  • 是川 夕(内閣府経済社会総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,840,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国ではこれまで、外国人人口受入れに関しては比較的保守的な政策を採ってきたことから、これら少子・高齢化がもたらす問題の解決策としての外国人人口受入に関する本格的な定量分析が十分に行われてきたとは言い難い状況にあるが、外国人人口受入れによる将来人口の変化について、複数の前提条件の下に仮想的シミュレーションを行って定量的評価を行うとともに、その社会保障へのインパクトを分析しておくことは極めて重要であり、本研究ではこのような課題に対して、人口学的分析を中心とした総合的研究を行うことを目的とする。
研究方法
研究は、以下の3項目の課題ごとに進められる。
(1) 外国人人口受入れに関する前提および将来の出生・死亡動向の研究
外国人受入れの複数政策と移入者プロファイルを検討し、現状ベースでの人口動態特性に関する動向分析、移入者増が人口動態に与える影響評価を行う。
(2) モデル構築とこれに基づく将来人口の仮想的シミュレーション
外国人受入れの前提や人口動態の変化を反映するモデルを構築し、将来人口の仮想的シミュレーションを行う。
(3) 将来人口の変化が社会保障に及ぼす影響の評価
将来人口のシミュレーションを踏まえ、これらが社会保障に与える影響を評価する。
結果と考察
国際人口移動の仮定設定については、諸外国の推計で行われている複数仮定の設定が参考になることや、国連推計でも国際人口移動の働き手人口への影響は大きなインパクトではないことから、現実的な設定に際し検討が必要なことが明らかとなった。また、人口学的モデル構築に関して、妊娠届出統計が出生の有効な先行指標となり得ることや、人口動態統計による結婚経験別構成の有利性等が明らかとなった。社会保障への影響については、米国での先行研究における縦断的分析が人口シミュレーションとの親和性が高いことが明らかとなった。
結論
本年度の研究成果及び考察から、国際移動に関する仮定設定には、動向分析・推計方法についての研究とともに、諸外国や国連推計を参考に、複数仮定設定やその規模に関する検討が必要な点が明らかとなった。また、一方で、人口動向分析に基づいた様々な政策的インプリケーションも得られた。このような様々な研究成果を、移民の影響評価に有効と考えられる縦断的分析等に統合させ、将来の仮想的人口シミュレーションを実行して社会保障への影響を評価していくことが今後の課題である。

公開日・更新日

公開日
2012-11-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101037Z