医療・介護政策と地域の資源・連携・受療行動が平均在院日数と費用に影響を及ぼす要因の分析

文献情報

文献番号
201101031A
報告書区分
総括
研究課題名
医療・介護政策と地域の資源・連携・受療行動が平均在院日数と費用に影響を及ぼす要因の分析
課題番号
H22-政策・一般-028
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
今中 雄一(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 林田 賢史(産業医科大学病院 医療情報部)
  • 廣瀬 昌博(島根大学医学部附属病院 病院医学教育センター)
  • 猪飼 宏(京都大学 医学研究科)
  • 村上 玄樹(広島大学 医歯薬学総合研究科)
  • 徳永 淳也(九州看護福祉大学 看護福祉学部)
  • 大坪 徹也(京都大学 医学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
11,368,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 当研究は、データに基づく制度政策づくりへの貢献をめざし、各地域レベルの平均在院日数と医療費の本質的な要因を多角的に明らかにすることを目的とし、以下のテーマを設定した。
Ⅰ.地域の必要医療介護資源と受療行動に関わるシミュレーションにて、療養病床数の需要と病院拠点化がアクセス不平等に及ぼす影響を推計する。
Ⅱ.医療費、人的資源と医療の質の関係、及び政策が医療費と医療の質に及ぼす影響を明らかにする。
Ⅲ.医療資源に係る経済評価について、資源、専門的医療者、高額医療機器検査や高額薬剤と医療費との関係を明らかにする。
研究方法
 この研究目的の達成のために、全国のデータを視野に入れて、都道府県、二次医療圏、その他の地域や施設レベルで、経年的に、患者の医学的特性、患者・地域の受療行動と社会経済的特性、地域の医療・介護の資源と連携における特性、病院・医療提供者の機能と特性、国と地域の諸施策の影響といった多角的な観点から多元的データベースを構築した。この解析基盤のもとに、病床を初めとする医療資源とその利用、医療費の要因、さらに医療の質との関わりを解析できるようにした。
結果と考察
 解析の結果、資源や医療費の地域間格差を明らかにし、政策の影響も含めて、その要因を示すことができた。さらに、「医療の質」の視点を重視した解析を行った。また、高額機器や高額薬剤に係る経済評価を行った。これらを通じて、資源や医療費の地域間格差と関連要因を明らかにすることができ、さらに、計画的医療資源配備に資するシミュレーション手法を開発して具体例を示すことができた。また、医療の質は、医療資源との関わりが大きく、特に医療資源の密度が低く、それ故に医療費も低い地域で、医療の質に悪影響が出ている可能性が示唆された。療養病床数が特に人口規模の大きな地域で大きく不足していくことや、必ずしもアクセス不平等を拡大しない病院の拠点化のあり方などを示した。
結論
 計画的資源配置の影響評価や必要資源の推計、費用と質との関係、政策が医療費と医療の質に及ぼす影響評価、医療資源に係る層別化した経済評価など、新たな手法を開発し新たな知見を得た。これらの解析手法や得られた知見は、新制度構築、医療費適正化計画や地域医療計画などへの活用が期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-11-06
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101031Z