居住系サービス提供体制のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201101028A
報告書区分
総括
研究課題名
居住系サービス提供体制のあり方に関する研究
課題番号
H22-政策・一般-025
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
尾形 裕也(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院 医療経営・管理学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 植村 尚史(早稲田大学人間科学学術院)
  • 鮎澤 純子(国立大学法人九州大学 大学院医学研究院 医療経営・管理学講座 )
  • 大島 千帆(早稲田大学人間科学学術院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,613,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
超高齢社会・人口減少社会が現実のものとなる中で、近年の我が国における医療制度改革においては、急性期医療の確立と、(在院日数の短縮に伴う)その「受け皿」の整備を同時並行的に推進していく必要がある。後者に関しては、伝統的な施設整備と在宅医療の推進に加えて、いわゆる居住系サービスの拡充が喫緊の課題として求められる。本研究においては、居住系サービスのあり方について、国民のニーズへの対応、サービスの質の確保、医療サービスの関わり方、施設体系、医療・介護報酬のあり方、いわゆる「複合体」経営等を含め、最近の国際的な動向等を踏まえつつ、理論、実証両面から幅広く検討し、望ましい居住系サービスの姿について展望し、これを促進するための政策提言を行うことを目的とする。
研究方法
3年計画の2年目である平成23年度においては、1年目に引き続き、米国におけるAssisted Living Facilities及びNursing Homeに関する政策を中心に実地調査を含む調査研究を行った。また、急性期医療から在宅への復帰促進という観点から、いわゆる「退院調整」(discharge planning)に関する国際的な文献レビューを行った。あわせて、複数の複合体について、患者(入所者)の状態像、入退院(所)の状況、提供サービスの状況、継続的なモニタリングの体制、シームレスなサービス提供体制、サービス調整のあり方、料金設定、複合体経営のあり方等についてアンケート調査及びヒアリングを実施した。
結果と考察
民主党を中心とする現政権は、介護療養病床の廃止期限を延期する法改正を行ったが、こうした現状追認的な政策によって、今後急増する高齢者の複合的なニーズに適切に対応していくことはできない。すでに先進各国においては、急性期医療の確立とあわせて、居住系サービスの拡充による「在宅」対応の充実が図られてきている。わが国においても、急性期医療の確立とあわせて、早急にその整備を図る必要がある。両者はいわば「楯の両面」であり、その「同時解決」こそが、今後のわが国の医療・介護政策における中心的な課題であると考えられる。
結論
国際的に見て例外的に多い人口当たり病院数及び病床数を有するわが国において、その有効な活用を図ることが喫緊の課題である。このいわば「含み資産」を、今後、急性期医療・回復期医療・慢性期医療・在宅等に適切に配分し、全体としての効率化を図るとともに、機能分化と連携の体制を確立していく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2012-11-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201101028Z