文献情報
文献番号
201101019A
報告書区分
総括
研究課題名
医療と介護の連携のための地域情報基盤の構築に関する研究
課題番号
H22-政策・一般-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
松田 晋哉(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究分担者(所属機関)
- 藤野 善久(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
- 久保 達彦(産業医科大学 医学部・公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,384,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
限られた医療・介護資源を効率的に活用し、また国民の医療介護への公平なアクセスを保証するためには、現行の地域医療計画の実効性を高めることが不可欠である。本研究では厚生労働省が毎年公開しているDPCデータを基に急性期入院医療の現状を医療圏単位で分析するともに、平成23年度に試行的に提供されたNational Database(NDB)を用いて、急性期入院、亜急性期・回復期入院、療養病床への入院、外来のそれぞれについての二次医療圏単位での状況を分析した。
研究方法
(1)DPC公開データの二次医療圏単位での分析: 平成22年度のDPC調査対象施設の診療実績に関する公開データに、都道府県名、二次医療圏名の情報を付与し福岡県久留米医療圏の急性期医療の現状について可視化した。
(2)DPC公開データのGISによる分析: 上記(1)のデータから、全MDC、MDC01、MDC05、MDC1)の施設別救急搬送による入院データをGISに取り込み、修正ハフモデルを用いて、運転時間距離による患者吸引率を求めた。
(3)NDBを用いた受療動向の分析:NDBから福岡県における平成22年7月診療分のレセプトを抽出し、患者傷病名をDPCの6桁コード(傷病名に相当)、患者居住地及び施設所在地を二次医療圏にコード化し、傷病別、年齢階級別、入院・外来別に受療動向を分析した。
(2)DPC公開データのGISによる分析: 上記(1)のデータから、全MDC、MDC01、MDC05、MDC1)の施設別救急搬送による入院データをGISに取り込み、修正ハフモデルを用いて、運転時間距離による患者吸引率を求めた。
(3)NDBを用いた受療動向の分析:NDBから福岡県における平成22年7月診療分のレセプトを抽出し、患者傷病名をDPCの6桁コード(傷病名に相当)、患者居住地及び施設所在地を二次医療圏にコード化し、傷病別、年齢階級別、入院・外来別に受療動向を分析した。
結果と考察
結果
分析の結果、久留米医療圏においては以下の特徴があることが明らかとなった。①急性期医療は久留米大学病院と聖マリア病院の2つの施設がその大部分を担っている。②救急医療については聖マリア病院のシェアが圧倒的であるが、がん診療については久留米大学病院が総合的な中核施設となっており、他の施設はそれぞれの得意領域でがん診療を担っている。
NDBを用いた分析結果を脳梗塞についてみると入院・外来とも二次医療圏で概ね自己完結していた。脳梗塞における連携状況を地域連携に関する診療報酬が算定されている割合で分析した結果、最も算定率の高いのは飯塚医療圏(約5%)で、他の医療圏は算定率が低いことが明らかとなった。
分析の結果、久留米医療圏においては以下の特徴があることが明らかとなった。①急性期医療は久留米大学病院と聖マリア病院の2つの施設がその大部分を担っている。②救急医療については聖マリア病院のシェアが圧倒的であるが、がん診療については久留米大学病院が総合的な中核施設となっており、他の施設はそれぞれの得意領域でがん診療を担っている。
NDBを用いた分析結果を脳梗塞についてみると入院・外来とも二次医療圏で概ね自己完結していた。脳梗塞における連携状況を地域連携に関する診療報酬が算定されている割合で分析した結果、最も算定率の高いのは飯塚医療圏(約5%)で、他の医療圏は算定率が低いことが明らかとなった。
結論
厚生労働省の公開DPCデータ及びNDBのデータを用いた分析を行うことで、二次医療圏単位での医療提供体制の状況及び二次医療圏間の患者移動、さらには地域連携や在宅医療の提供状況などに関する基礎的データを作成できることが実証された。
公開日・更新日
公開日
2012-11-02
更新日
-