文献情報
文献番号
201101006A
報告書区分
総括
研究課題名
生活保護受給世帯の就労自立を促す成人基礎教育カリキュラムの開発
課題番号
H21-政策・若手-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
添田 祥史(北海道教育大学 教育学部)
研究分担者(所属機関)
- 中囿 桐代(釧路公立大学 経済学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,714,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、生活保護受給世帯の就労自立を促す成人基礎教育カリキュラムの開発にある。今日、自立支援が生活保護行政の重要な柱として位置づいているが、現場では十分に機能しているとは言い難い。本研究では、この問題に対して教育学的アプローチの知見の活用を試みる。支援の指標となる具体的なカリキュラムを手にすることで、より実践的で効果のある支援実践に結びつくことが期待できる。
研究方法
最終年度である本年度は、実際のカリキュラムのフレームを抽出していく。手順は大きく二つに分かれる。まず、これまでの調査データをふまえて、生活保護受給者の生活現実と「自立」の基盤や現場における支援の方法論を教育学的知見から統合していく。
結果と考察
「自立」を「<私>のかけがえのなさを実感しながら生きる」ことと再定義した。そのための必要条件として就労自立を位置づけた。その上で、就労自立を支える「成人キャリア教育プログラム」と「成人基礎教育カリキュラム」を公的に保障していく必要がある。前者は、「将来設計能力」、「人間関係形成能力」、「意思決定能力」、「情報活用能力」から構成される。後者は、「基礎学力」と「基礎生活力」を基盤として、「他者や社会への信頼の回復」と「自分自身への信頼の回復」がスパイラルに循環していく。
結論
自立支援プログラムを成人の共同的な学習実践として位置けなおす必要がある。受給者の成人性と当事者性を念頭に入れた支援が求められる。とくに、わが国が大きく遅れている成人基礎教育分野の保障にむけて取り組みをはじめる必要がある。そのためには、自主夜間中学等を活用したり、独自に成人基礎教育に関わる類似事業を立ち上げるべきである。
公開日・更新日
公開日
2012-12-07
更新日
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