エステティックにおけるフェイシャルスキンケア技術の実態把握及び身体への影響についての調査研究

文献情報

文献番号
201036026A
報告書区分
総括
研究課題名
エステティックにおけるフェイシャルスキンケア技術の実態把握及び身体への影響についての調査研究
課題番号
H22-健危・一般-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大原 國章(財団法人 日本エステティック研究財団)
研究分担者(所属機関)
  • 林 伸和(国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
エステティックサロン(施設)は、消費者ニーズに応えて増加している。しかし、施設やエステティシャン(施術者)に対する法的規制はなく、その実態が明らかになっているとはいえない。3年計画初年度の本研究は、施術者の教育、施術内容、衛生管理、消費者健康被害の実態把握、フェイシャルスキンケア基本コースについて身体への影響を明らかにして、安全な施術が行われる環境を整備することを目的とした。
研究方法
(1)施術者教育、施術内容や使用機器、衛生管理の現状に関して、エステティック業界関係者10名、施術者30名、教育担当者8名からの聞き取り調査、26種類の広告媒体での掲載内容、行政機関への消費者からの相談事例を収集し検討した。(2)健常人ボランティア37名を対象にフェイシャルスキンケア基本コースを施術し、皮膚科医の診察、皮膚生理機能・循環動態、心理状態を計測し、無施術群4名と比較して施術の安全性と身体への影響を調査した。
結果と考察
(1)民間資格を有する施術者は、一定のカリキュラムで300時間以上の講義及び技術実習の教育を受けており,衛生管理に関する一定の教育がなされていた。しかし、現場を担当している施術者からの聞き取りでは衛生管理マニュアルがない等,衛生管理が十分ではない施設があった。消費者からの相談事例では、健康危害の大半は、施術に使用した化粧品による接触皮膚炎であり、エステ機器によると思われる熱傷等の危害も認められた。衛生管理に直接関連する危害はなかった。(2)民間資格を有する施術者が行ったフェイシャルスキンケアの基本コースでは、皮膚の臨床所見、生理機能、循環動態、心理状態に不利益な影響は認められなかった。
結論
これらの結果から、施術者に対する民間資格取得を推進し、より多くの施術者への衛生管理の教育の徹底を図るとともに,現場での実践を徹底するために民間資格の更新システムを確立するなどの方法で継続した教育を行う必要があると考えた。また、2年目の研究において、実際に使用されている化粧品やエステ機器を詳細に調査し,施術時に使用する化粧品の管理や使用の実態を把握し,さらに健常人での反応をパッチテストで確認する。さらにエステ機器などによる熱傷等の健康危害を予防するために、代表的な機器の安全性を確認し,安全性を確保する方法について検討を加える。

公開日・更新日

公開日
2011-09-05
更新日
-

収支報告書

文献番号
201036026Z