クリーニング所における洗濯物の消毒方法に関する研究

文献情報

文献番号
201036016A
報告書区分
総括
研究課題名
クリーニング所における洗濯物の消毒方法に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 憲(東京医療保健大学 医療保健学部医療情報学科 大学院 医療保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 寛伊(東京医療保健大学/大学院 学長)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院 医療薬剤学)
  • 神谷 茂(杏林大学医学部感染症学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
クリーニング所にかかわる安全性を追求する目的で、クリーニング業界と連携して下記の項目について検討する。
1) 従業員の労働安全状況についての調査。
2) クリーニング所に関する文献的考察を感染制御の立場から行う。
3) 洗濯後の培養検査を実施して微生物汚染を明らかにする。
4) クリーニング所で使用される界面活性剤、ドライクリーニング溶媒の抗微生物効果を検証する。
最終的に、業界と研究者が共同で「ホームクリーニングにおける洗濯物の衛生管理と従事者の作業安全ガイドブック(案)」を作成する。
研究方法
1) 従事者の勤務形態、労働時間、感染性物質(血液、糞便・嘔吐物)および洗濯衣類にかかわる感染状況、従事者へのB型肝炎ワクチン接種状況などを調査した。
2) 文献検索は、Ovidにより、検索用語として「dry cleaning」および「laundry」を用いて192の文献を検索し、それら総てからテーマに基づき 25文献を選択して考察した。
3) クリーニング店に提出した洗濯物につき、細菌培養を実施した。
4) 陰イオン界面活性剤(スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルナトリウム:SS)、および非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル:AE)の抗微生物作用とバイオフィルム形成能を調べた。
5) 「ホームクリーニングにおける洗濯物の衛生管理と従事者の作業安全ガイドブック(案)」の原案を作成した。
結果と考察
今回の調査では、業務上の感染例はなかった。B型肝炎ワクチンはほとんど接種されていなかった。
病院リネンに関する文献では、病原体による洗濯従事者への感染例の報告もあり、接触感染、空気感染に対する防御も必要である。また、クリーニング従事後の呼気に含まれるテトラクロロエチレン濃度が徐々に上昇することなどの報告から、作業環境中のテトラクロロエチレンが気化して、作業者に吸入されている状況が明らかになった。具体的な健康被害については不明である。
今回用いた2種の界面活性剤はグラム陰性菌に対する抗菌活性は見られなかったが、グラム陽性菌に対する抗菌活性が認められた。バイオフィルム形成能への効果については緑膿菌に対しては抑制的に、MRSAに対しては促進的に作用した。
結論
クリーニング所についての課題の明確化、衛生レベルの向上策、従事者の労働安全などを取りまとめることは、行政施策を検討する上で重要であり、希少性が高い。必要な留意点を抽出することにより、国民の健康維持に貢献することが可能となる。
最終的に「ホームクリーニングにおける洗濯物の衛生管理と従事者の作業安全ガイドブック(案)」を作成した。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

文献情報

文献番号
201036016B
報告書区分
総合
研究課題名
クリーニング所における洗濯物の消毒方法に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 憲(東京医療保健大学 医療保健学部医療情報学科 大学院 医療保健学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小林 寛伊(東京医療保健大学/大学院 学長)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院 医療薬剤学)
  • 神谷 茂(杏林大学医学部感染症学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
クリーニング所にかかわる安全性を追求する目的で、クリーニング業界と連携して下記の項目について検討する。
1) 従業員の労働安全状況についての調査。
2) クリーニング所に関する文献的考察を感染制御の立場から行う。
3) 洗濯後の培養検査を実施して微生物汚染を明らかにする。
4) クリーニング所で使用される界面活性剤、ドライクリーニング溶媒の抗微生物効果を検証する。
最終的に「ホームクリーニングにおける洗濯物の衛生管理と従事者の作業安全ガイドブック(案)」を作成する。
研究方法
1) 従事者の勤務形態、労働時間、感染性物質(血液、糞便・嘔吐物)および洗濯衣類にかかわる感染状況、従事者へのB型肝炎ワクチン接種状況などを調査した。
2) 文献検索は、Ovidにより、検索用語として「dry cleaning」および「laundry」を用いて192の文献を検索し、それら総てからテーマに基づき 25文献を選択して考察した。
3) クリーニング店に提出した洗濯物につき、細菌培養を実施した。
4) 陰イオン界面活性剤(スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルナトリウム:SS)、および非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル:AE)の抗微生物作用とバイオフィルム形成能を調べた。
結果と考察
今回の調査では、業務上の感染例はなかった。B型肝炎ワクチンはほとんど接種されていなかった。
病院リネンに関する文献では、病原体による洗濯従事者への感染例の報告もあり、接触感染、空気感染に対する防御も必要である。また、クリーニング従事後の呼気に含まれるテトラクロロエチレン濃度が徐々に上昇することなどの報告から、作業環境中のテトラクロロエチレンが気化して、作業者に吸入されている状況が明らかになった。具体的な健康被害については不明である。
今回用いた2種の界面活性剤はグラム陰性菌に対する抗菌活性は見られなかったが、グラム陽性菌に対する抗菌活性が認められた。バイオフィルム形成能への効果については緑膿菌に対しては抑制的に、MRSAに対しては促進的に作用した。
結論
クリーニング所についての課題の明確化、衛生レベルの向上策、従事者の労働安全などを取りまとめることは、行政施策を検討する上で重要であり、希少性が高い。必要な留意点を抽出することにより、国民の健康維持に貢献することが可能となる。
最終的に「ホームクリーニングにおける洗濯物の衛生管理と従事者の作業安全ガイドブック(案)」を作成した。

公開日・更新日

公開日
2011-07-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201036016C

収支報告書

文献番号
201036016Z