新規な化学物質の安全性を予測・評価する新規計算手法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
201035029A
報告書区分
総括
研究課題名
新規な化学物質の安全性を予測・評価する新規計算手法の開発に関する研究
課題番号
H22-化学・若手-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
奥野 恭史(国立大学法人 京都大学 薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、OECDのSARバリデーション原則に基づいた、新規な化学物質に対する予測能の評価方法の開発と新規化学物質の予測性能を最大限発揮する計算アルゴリズムの開発を目指す。また、ケミカルゲノミクス情報やトキシコゲノミクス情報を用いることにより反復毒性、遺伝毒性などヒトの安全性に関する毒性のメカニズム解析を行う。
研究方法
本研究では、次の4項目について研究実施する。初年度である22年度は、化学物質および安全性評価実測データの収集と、ケミカルスペースを用いた既存化学物質と新規化学物質との特徴空間比較手法の開発に着手した。
1. 化学物質および安全性評価実測データの収集(平成22年度)
2. ケミカルスペースを用いた既存化学物質と新規化学物質との特徴空間比較手法の開発(平成22年度、23年度)
3. エンドポイント予測と新規化学物質予測に最適なトレーニングセットのサンプリング手法と特徴抽出アルゴリズムの開発による構造活性相関モデルの構築(平成23年度、24年度)
4. 化学物質の特徴解析と標的生体分子予測によるメカニズム解析(平成24年度)
結果と考察
本年度は初年度であることからも、3年間の研究期間を通じて用いる化学物質の評価データセットの収集・整理と、ケミカルスペースを用いた既存化学物質と新規化学物質との特徴空間比較手法の開発に着手した。前者では、141,475件もの化学物質に関する情報を集積し、標的タンパク質や活性情報とのリレーションを実現するデータベースを構築した。当該データベースは、http://cgs.pharm.kyoto-u.ac.jp/services/ddida/より公開する予定である。
また、後者に関しては、特徴空間比較手法の開発として、多変量解析の一つである正準相関分析法の適用性について検討した。またこれらの要素技術として、カーネル空間に基づく化学物質の特徴抽出アルゴリズムの開発を行った。
結論
上述の通り、当該年度では、化学物質および安全性評価実測データの収集と、ケミカルスペースを用いた既存化学物質と新規化学物質との特徴空間比較手法の開発を行い、当初計画通りの成果を得るに至った。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201035029Z