ナノマテリアルの経皮・吸入曝露実態の解析基盤および経皮・吸入毒性評価基盤の確立とヒト健康影響情報の集積に関する研究

文献情報

文献番号
201035027A
報告書区分
総括
研究課題名
ナノマテリアルの経皮・吸入曝露実態の解析基盤および経皮・吸入毒性評価基盤の確立とヒト健康影響情報の集積に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-化学・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
堤 康央(大阪大学 大学院薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 八木 清仁(大阪大学 大学院薬学研究科)
  • 齋藤 滋(富山大学 大学院医学薬学研究部)
  • 柳原 格(大阪府立母子保健総合医療センター研究所)
  • 宮川 剛(藤田保健衛生大学 総合医科学研究所)
  • 河合 裕一(神戸学院大学 薬学部 生命薬学部門)
  • 桑形 麻樹子(財団法人食品薬品安全センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
51,120,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ナノマテリアルの安全性確保を目的に、産官学で連携しつつ、既実用化あるいは実用化予定のナノマテリアルの経皮・吸入曝露後動態とそのハザード評価を実施し、安全性評価や将来的なリスク評価に資すること、さらには安全なナノマテリアルの開発支援を加速させること、即ち、Nano-Safety Science(ナノ安全科学研究)を実施することである。本年度はナノシリカ(nSP)やサブナノ白金(snPt)を経皮適用する領域での安全性情報の集積を目的に、リスク解析に必須となる曝露実態情報(吸収性や蓄積性を含めた動態情報)を実施した。
研究方法
nSPやsnPtといった化粧品等に含有されているナノマテリアルの経皮・吸入(経鼻粘膜・経口腔粘膜・経気道粘膜)曝露後動態を定量的に解析できる基盤技術の新規確立と情報集積、ナノマテリアルの一般毒性、特殊毒性(免疫毒性、脳神経毒性、生殖発生毒性など)を評価した。
結果と考察
その結果、①nSPが経鼻吸収されること、②snPtが経皮吸収されること、③nSPが胎盤や胎仔に移行することを明らかとした。また、④体内移行したnSPがアトピー性皮膚炎や脳炎、男性/女性不妊などを示し得ること、⑤胎仔・母体毒性を誘発し得ること、⑥妊娠期nSP曝露が母体を介して胎仔の脳神経系の発達に影響を及ぼすこと、⑦精子凝集等の生殖毒性を示しうること、⑧絨毛外栄養膜細胞に細胞毒性を及ぼし得ること、⑨メタボリックシンドローム発症・悪化に関与し得ること、などを新たに見出した。また、⑩OECDのスポンサーシッププログラムについて、フラーレンとカーボンナノチューブの28日間経皮反復投与毒性試験のインターラボおよびイントララボ間での再現性試験を実施すると共に、既に実用化されているナノマテリアルに関しても、安全性評価を実施し、当該研究班の班会議(年2回)や学会等を通じて情報を社会に随時提供した。
結論
本研究は、安全なナノマテリアルの開発支援を通じて、国民が安心してナノマテリアルの恩恵を最大限に享受でき、一方で我が国のナノ産業を育成・発展させるなど、ナノマテリアルの社会受容の促進にも貢献するものである。また本研究の成果は、ナノマテリアルのリスク管理や規制といった厚生労働的視点、さらにOECD対応等による国際貢献の点で、責任のある先進国・知財技術立国・健康立国としての我が国に資するものと言える。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201035027Z