薬剤師需給動向の予測に関する研究

文献情報

文献番号
201034083A
報告書区分
総括
研究課題名
薬剤師需給動向の予測に関する研究
課題番号
H22-医薬・指定-038
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
望月 正隆(一般社団法人 薬学教育協議会)
研究分担者(所属機関)
  • 坂巻 弘之(名城大学薬学部)
  • 長谷川 洋一(名城大学薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、ア.6年制教育を経て養成される薬剤師の社会的需要ならびに6年制教育導入後の供給の動向に影響を与える要因の抽出・整理、イ.それらをパラメータとして、需給を予測するための手法・モデルの確立、ウ.実際に6年制教育の卒業生の就職動向を盛り込んだ需給モデルの精緻化の3点を研究目的として、それぞれ3カ年にかけて実施するものである。平成22年度は、薬剤師需給に係るファクトデータの収集による現状把握(傾向と分析)のために、
1.研究班会議ならびに有識者によるフォーカスインタビューにより薬剤師需給に影響する要因や職能(スキルミックス実施、業務実態(在宅、学校薬剤師/等))の現状把握、
2.上記で抽出・整理された要因に係るファクトデータに基づき、現状分析並びに今後の傾向の予測を行った。
研究方法
ファクトデータの収集は、みずほ情報総合研究所に委託した。フォーカスインタビューは、薬剤師の主たる勤務先である病院、地域薬局、製薬企業を対象に行った。
結果と考察
薬剤師総数は、年々増加しており、20年間で86.7%の増加であった。男女比は、4対7で女性の割合が微増する傾向となっていた。地域分布では都市部に薬剤師が集中する傾向があり、都道府県の各二次医療圏間で1.3から11.9倍の格差が存在していた。高齢社会を反映して介護保険施設が増加していたが、インタビューにより薬剤師の新たな活躍が期待される職域として、新規入所者の持参薬の管理、在所者の服薬管理等の必要性が一層求められていると考えられる。
薬科大学(薬学部)の学部卒業生・大学院修了者の就職動向についてみると、平成20年3月卒では、平成14年3月卒から平成19年3月卒までの6年間にわたり1位を維持していた進学を、それまで2位であった薬局が追い越した。また、卒業後の教育のあり方、薬局の経営革新の必要性、製薬企業におけるニーズに合致した専門性を高めることで需要につなげることができると考えられる。
結論
病院では病棟常駐が可能となる配置、地域薬局では在宅医療への関与が、それぞれ重要であり、これらを実現するための教育、報酬上の措置が求められる。製薬企業では、6年制課程での実務実習経験を生かすことを考えることが重要であり、企業の新しいニーズに沿った大学教育が求められる。

公開日・更新日

公開日
2011-08-03
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034083Z