医薬品の製造・品質管理の高度化と国際化に対応した日本薬局方の改正のための研究

文献情報

文献番号
201034047A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の製造・品質管理の高度化と国際化に対応した日本薬局方の改正のための研究
課題番号
H22-医薬・一般-003
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 早川 堯夫(近畿大学薬学総合研究所)
  • 奥田 晴宏(国立医薬品食品衛生研究所 有機化学部)
  • 川崎 ナナ(国立医薬品食品衛生研究所 生物薬品部)
  • 丸山 卓郎(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
  • 阿曽 幸男(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
  • 宮田 直樹(名古屋私立大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本薬局方(日局)に収載されている通則,総則や一般試験法などについて,医薬品製造・品質管理の国際化・高度化に対応した検討を行い,今後の改正のための研究を行った.
研究方法
日局16告示以降さらに改定が必要と考えられる項目について,主要な関連領域に応じて調査ならびに実験による検証を行った.
結果と考察
1.局方国際調和関連:局方の国際調和作業の進捗状況および国際調和にむけての課題をまとめた;2.化学合成医薬品関連:主成分分析と組み合わせた1H-NMR測定により,局方医薬品の分析にも応用可能であるアミノ酸のわずかな置換が検出可能なペプチド性医薬品の特性解析手法を開発した;3.生物薬品関連:モデル糖タンパク質のLC-MSをもとに糖鎖のLC/MSの要件を明らかにするとともに,日局医薬品各条多糖類の試験見直し及び新規収載における課題を抽出した;4.生薬関連:局方未収載の生薬であるアキョウについて原産地である中国での製造実態調査を行うとともに,局方収載の問題点を考察した;5.医薬品添加剤関連:二酸化ケイ素と炭酸カルシウムについて,国際調和を行う上での問題点の整理,および問題点の克服について考察を行うとともに,これら医薬品添加剤中の金属性不純物の中で,鉄などの遷移金属イオンが製剤の保存安定性に及ぼす潜在的影響について調査した;6.理化学試験法関連:国際調和課題の色調の判定試験法を検討し,色差の測定に通常用いられる積分球方式の分光光度計と分光光度計に色の解析用ソフトを組み合わせて測定する方法を比較し,色の機器測定は後者で十分対応可能との結論を得た;7.製剤関連:非無菌製剤に関する微生物混入への配慮の考え方をまとめ,製剤が製造・保管中に微生物に汚染されるリスクおよび微生物汚染のヒトへの影響を考慮して,各製品について限度試験の適用の方法や程度を判断すべきとした;8.名称関連:日局収載医薬品の化学名および構造式について,日局17にむけて国際調和の観点から局方全体の整合性を検討し,修正の必要な項目をまとめた.
結論
日局の一般試験法や参考情報(NMR法, LC-MS法,色調の判定試験),および各条規格(多糖類,生薬,,医薬品添加物,製剤)の改正のための検討を行うとともに,国際調和に向けた課題をまとめた.さらに,化学薬品の名称の改正の課題をまとめた.

公開日・更新日

公開日
2011-06-09
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034047Z