国際協調を重視した化粧品・医薬部外品における安全性試験法の再評価に関する研究

文献情報

文献番号
201034046A
報告書区分
総括
研究課題名
国際協調を重視した化粧品・医薬部外品における安全性試験法の再評価に関する研究
課題番号
H22-医薬・一般-002
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 薬理部 新規試験法評価室)
研究分担者(所属機関)
  • 大野 泰雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 松永 佳世子(藤田保健衛生大学 医学部)
  • 板垣 宏(日本化粧品連合工業会)
  • 山本 直樹(藤田保健衛生大学共同利用研究施設)
  • 杉林 堅次(城西大学 薬学部)
  • 尾上 誠良(静岡県立大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
11,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
動物実験の3R(削減、苦痛の軽減、置換え)を尊重するという国際協調を重視しつつ、医薬部外品・化粧品の安全性の質を維持するため、新たな代替法の開発、開発済みの試験法評価を行うとともに、ヒト試験の合理的な見直しを行い、安全性評価試験法の再評価を進める。
研究方法
化粧品や医薬部外品等の安全性評価のために用いられている試験法の中でまだ代替法が未開発の分野を中心にin vitro試験を開発した。検討した試験法としては、1)培養表皮または皮膚モデルを用いた皮膚透過性試験、2)活性酸素種産生能を指標とした光毒性試験(ROSアッセイ)、3)眼刺激性試験代替法のために作られた遺伝子導入で得られた角膜形質発現細胞の安定性を検証した。さらに、すでに開発された試験法のバリデーションとして、培養表皮モデルを用いた皮膚刺激性試験代替法、眼刺激性試験代替法であるSTE(Short Time Exposure)試験及びROSアッセイのバリデーションを実施、または計画した。
 一方、ヒト試験については、使用試験の指標について過去の医薬部外品申請資料を用いて検討するとともに、有害性情報の入手に関する適切な対処ができるシステムを検討した。
結果と考察
試験法の開発については、1)培養表皮または皮膚モデルを用いた皮膚透過性試験において、培養皮膚モデル間の相違を明確化した。2)光毒性試験に関しては、ROSアッセイのデータおよびプロトコル整備を行った。3)眼刺激性試験においては、遺伝子導入で得られた角膜形質発現細胞を用い、細胞株の安定性を検証できた。バリデーションについては、皮膚刺激性試験代替法及び眼刺激性試験代替法どちらも適切なバリデーションを実施できた。これらの結果を受け、両バリデーション報告書をOECD事務局に提出した。また、ROSアッセイのバリデーション実施に向け、事前準備を進めた。
使用試験については、過去の医薬部外品申請資料を調べたところ、安全性の検討項目も資料毎に異なっていた。より合理的な使用試験を行うための、携帯電話を利用した管理システムを試作した。
結論
医薬部外品・化粧品の安全性評価に代替法を取り入れるべく試験法の開発を進めるとともに、すでに開発された方法のバリデーションを実施し、また、ヒト使用試験を合理的に行うシステムの検討を行った。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201034046Z