食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究

文献情報

文献番号
201033045A
報告書区分
総括
研究課題名
食品を介したダイオキシン類等有害物質摂取量の評価とその手法開発に関する研究
課題番号
H22-食品・一般-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
松田 りえ子(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡邉 敬浩(国立医薬品食品衛生研究所 食品部 )
  • 堤 智昭(国立医薬品食品衛生研究所 食品部)
  • 天倉 吉章(松山大学 薬学部)
  • 芦塚 由紀(福岡県保健環境研究所)
  • 杉山 英男(帝京平成大学 健康メディカル学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安心・安全確保推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
84,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
種々の化学物質のヒトに対する暴露及びそれに伴う健康影響リスク評価と低減を目的とし,食品からの有害物質摂取量評価,並びに評価方法の改良に係る研究を実施した.
研究方法
有害化学物質摂取量推定研究(A),摂取量推定のための方法論確立研究(B),摂取量推定を目的とした分析法開発研究(C)の3つの相互に関連した研究を行なった.
(A)トータルダイエット試料を用い,有機塩素系農薬類,PCBs,有機リン系農薬類,鉛,金属類,ダイオキシン類の摂取量を推定した.(B)正確な摂取量推定方法の確立を目指し,メチル水銀摂取量評価のため,フェニル誘導体化後GC-MSで分析する方法を開発し,性能評価を行った.今後摂取量評価を行う対象化合物の選択法を検討した.(C)ダイオキシン(DX)類の簡易分析法であるCALUXアッセイの性能を評価した.この方法による分析結果に影響を与える,野菜・果実中のDX様活性を持つ物質を探索した.水酸化PCBを誘導体化せずに分析可能な方法を検討した.有機臭素化合物の分析法を検討した.芳香族炭化水素(PAHs)の分析法を検討した.
結果と考察
(A)金属類の摂取量をTWIあるいはPTWIと比較し,水銀およびヒ素では化学形別摂取量推定が必要と考えられた.水銀については(B)で検討中である.分析結果がNDであるデータが多い場合の摂取量計算において,定量限界あるいは検出限界が不統一であり現在の計算方法が不適切である可能性が明らかになったため,今後の(B)の課題とした.
(B)メチル水銀分析法の基本的性能は,食品中のメチル水銀分析に妥当と考えられた.食品中の有害物質分析結果のデータベースから,検出率が上昇している農薬等を選択し,今後摂取量評価を実施していく化学物質の候補とした.
(C)CALUXアッセイは魚中のDX類の毒性等量濃度をスクリーニングする方法として有望と考えられた.野菜等にDX活性を持つものが見られた.水酸化PCBの測定条件を確立した.有機水素化合物の分析法を検討し,その1つの摂取量を推定した.16種のPAHs測定のための基礎的検討を行った.
結論
3方面から研究を進めることにより,広範囲の有害化学物質の摂取量を精密に推定する方法論を確立し,食品中の化学物質による健康影響が正しく評価されることが期待される.

公開日・更新日

公開日
2011-05-27
更新日
-

収支報告書

文献番号
201033045Z